身体の痛みやコリに効果的な「筋膜リリース」とは?(2017.07.16)

肩こりや猫背などの身体的なトラブルに効果が高いということで、最近よく聞くようになった「筋膜リリース」。

今回は、「筋膜博士」として本メソッドの普及に力を入れている竹井仁教授(首都大学東京健康福祉学部)の『自分でできる! 筋膜リリースパーフェクトガイド筋膜リリース』(自由国民社)を下敷きに、筋膜リリースのイロハについて解説したい。

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●そもそも筋膜とは?

筋膜とは、皮膚の下にあって全身に張り巡らされた膜状の組織で、筋肉を包み込んだり、筋繊維の中に入り込んでいる。

医学的に筋膜には5種類あって、皮下組織にあるのが浅筋膜、その直下にあり筋肉を覆っているのが深筋膜と、非常に薄い筋外膜となる。そして、筋組織の中の筋の束を包んでいるのが筋周膜で、筋繊維の一本一本を包むのが筋内膜である。

どの種類の筋膜も、伸縮性・弾力性に富むコラーゲン線維とエラスチン線維からできており、身体に加わった緊張をコントロールするという大事な役割を担っている。

●現代人に多い筋膜トラブル

乗り物や椅子に座りがちなライフスタイルを送る人が多くなり、携帯デバイスの普及もあいまって、猫背姿勢で偏った動作を繰り返す機会が激増している。これを続けていると、身体の一部に大きな負担が生じ、筋膜がよじれて、円滑に動けなくなる。そして、十分な筋力や柔軟性が発揮できなくなり、スポーツでけがをしやすくなったり、関節の周囲に痛みを感じたり、こりやむくみに悩まされるようになる。

●筋膜のトラブルを解決するのが筋膜リリース

筋膜リリースは、ストレッチ運動に似ているが、よじれてしまった筋膜をリリース(=「解きほぐす」)することに焦点を当てている点で全く異なる。ストレッチは、筋繊維を一定の方向へ引き延ばすが、筋膜リリースは、様々な方向へと緩やかに解きほぐすように伸長させる。

一か所のリリースには、90~180秒かける。リリース時の最初の約10秒間は、エラスチン線維が伸ばされる。その後は(コラーゲン線維の制限のため)伸びる感じが止まるが、これからが本当のリリースの始まりとなる。コラーゲン線維がリリースされることで、ねじれた筋膜が解放されてゆき、いろいろな不定愁訴が快方へと向かい始める。

●まずは「全身筋膜リリース」を実践しよう

『自分でできる! 筋膜リリースパーフェクトガイド筋膜リリース』では、首、肩、顔、腕、骨盤など、部位ごとの筋膜リリースのメソッドが紹介されている。そうした個別のメソッドについては本書をお読みいただくとして、この記事ではウォーミングアップを兼ねた「全身筋膜リリース」(立った姿勢)のやり方を紹介しよう。立ったままで行い場所をとらないので、今日からすぐ、職場でもできる。

(1)両足を床にしっかりつけて立つ。

(2)両腕をいろいろな方向に動かしつつ、上半身もいろいろな方向へと動かす。

自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド 本文P40画像

(3)胸も張るようにする。

自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド 本文P41画像

(4) 両足は浮かさず、むしと両足が床の中に入り込んでゆくイメージで行うのがポイント。

自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド 本文P42画像

全体で90秒は行うが、その間にどこが硬くまたは緊張しているかを感じとるようにする。呼吸はゆっくりとし、「身体が上下に筒のように伸びて、バターが溶けるように軟らかくなる感覚」を大切にする。

●筋膜リリースの実施時の注意点

悪性腫瘍、動脈瘤、急性期のリウマチ様関節炎、感染症に罹っているのであれば、筋膜リリースは禁止される。もちろんケガや骨折がある場合も不可である。筋膜リリースをやってみて、痛みがとれないとか、逆に痛みが増す場合は、隠れた疾患の可能性があるので、病院で診てもらうようにしたい。メソッドは幾つもあるが、1日のうち午前、午後、入浴後というふうに数回に分けて行うと効果的である。

●日常生活上の留意点

筋膜リリースを本格的に続けるのであれば、筋肉・末梢神経に必要なエネルギーを作り出す働きのあるビタミンB1、血流を改善する作用のあるビタミンE、コラーゲン合成の要となる良質なタンパク質をしっかり摂るようにする。塩分やアルコール飲料は控えめにするほか、机に頬杖をついたり、猫背になるような姿勢は極力避けるなど、全般的に生活習慣の改善にも気を配ることで、本メソッドの効果は最大限に高められる。

画像提供/自由国民社

文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。

配信サイト:「Men’s Beauty」(小学館)
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