食事の直後に行なう歯みがきはメリットなし!?(2017.08.10)

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大多数の日本人は、「食べたらちゃんと歯を磨く」、「食後30分以内の歯磨き」を、金科玉条とまでは言わないでも習慣化していると思う。

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ところが、である。『歯はみがいてはいけない』(講談社)によれば、食後に時間を空けずに歯を磨くことに、ほとんどメリットはないという。逆に、知覚過敏や楔状欠損をもたらすデメリットがあり、かえって歯の健康を損なうと、著者である竹屋町森歯科クリニックの森昭院長は警告する。

食事や間食を終えた直後は、口の中は酸性となり、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出す。このとき歯は、いつもよりも硬さが失われて、若干「軟らかく」なる。このままではいけないので、唾液が酸を中和し、カルシウムやリンを歯の表面に戻して修復しようとする。こうして30~60分で、歯はもとの硬さを取り戻す。これを再石灰化とよぶ。

再石灰化の途中に歯を磨くのは逆効果!

口内で再石灰化が進んでいる最中に、たっぷりと歯磨き剤を盛られた歯ブラシが入ってくるとどうなるか?ひとつは、歯が削られる危険性。一時的に歯は軟らかくなっているので、歯ブラシのブラッシングでも、歯の表面部はわずかに摩耗する。これが長年続くと歯はやせてゆき、ついには知覚過敏の症状が出る。あるいは歯の根元がくさび型にえぐれる、楔状欠損(けつじょうけっそん)を引き起こすこともある。

ふたつめは、再石灰化中の唾液が、歯磨き後の口ゆすぎの際に外に出されてしまい、歯の修復作業がストップしてしまうことである。ところで、海外からの旅行者が増加するにつれ、外国人滞在者から「日本人の口臭はきつい」と、よく聞くようになった。これも、唾液が一番活躍するときに歯を磨いて台無しにしてしまう習慣と関係がある。

先進国の人々の中で、食後すぐ歯を磨いているのは、日本人くらいなのである。そのため、日本人の歯周病罹患率は非常に高く、そのせいで口臭もきついという。対して、口臭にうるさい欧米では、食後はガムを噛み、唾液の分泌を促す習慣が根付いている。

本書で森院長がすすめる日常の歯のケアは、以下のものである。

・起床後にデンタルフロスと音波歯ブラシ

・毎食後にデンタルフロス

・就寝前にデンタルフロスと音波歯ブラシ

起床後の何も食べていないときに、デンタルフロスと歯間ブラシでしっかりケアするのは、睡眠中は唾液の分泌が減るいっぽう、口腔内細菌が爆発的に増加しているからだという。

「起きたらすぐコップ一杯の水を飲む」という「健康習慣」は、無数の菌を体内に取り込むようなもので、おすすめできないと森院長は力説する。もしこれを行うのであれば、デンタルケアの後にするべきだろう。

文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。

配信サイト:「Men’s Beauty」(小学館)
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