これさえ覚えておけばOK!機械式時計の基礎用語(2016.11.24)

機械式時計のことを、とっつきにくいと思ってはいないだろうか?基本構造は至ってシンプル。しかし、そこに歴史とロマンが詰まっている。それを味わうための、専門用語の基礎知識を伝授!

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腕時計が駆動する基本的な構造の模式図(イラスト提供/セイコーウオッチ)。本文を読みながら、《基礎用語集》を注釈として見ていくと、理解が深まります!

◎機械を味わい、機能を楽しむためのキーワード

機械式腕時計とは、一言でいうと「ゼンマイで動く」腕時計のこと。では、どんなメカニズムなのか? 基本的な構造は、ぜんまいを巻き上げて香箱(1)に動力を蓄え、それがほどける力を輪列(2)に伝えて時刻表示をする機械ということになる。精度を制御するのは調速脱進機(3)と呼ばれる機構で、ひげぜんまい(4)というバネを内側に取り付けたテンプ(5)、それにつながる鉤状の爪を持ったアンクル、それに噛み合うガンギ車などの部品から構成されている。動力が輪列を通して、ガンギ車、アンクルを経てテンプに伝えられると、ひげぜんまいの作用でテンプが高速で振動を開始。テンプは一般的なもので1秒間に5回から8回(2.5〜4Hz)、一定の周期で振動する。これがアンクルの動きと連動し、アンクルの爪がガンギ車の回転を一定の周期でせき止めながら、均等な時を刻むことになる。

このシステムは今でこそ一般化しているが、ここに至るまでには、16世紀のガリレオ・ガリレイによる振り子の等時性の発見をはじめとする、人類の叡智の積み重ねがあった。それを想うと、この機械に悠久のロマンが秘められているような気がしてこないだろうか?

現在の腕時計は、機能的にも装飾性の面でも、かつてないほどに広がりを見せている。冒頭で説明した基本構造をベースに、クロノグラフ(6)、デュアルタイム(7)またはGMT(8)、ワールドタイマー(9)、パワーリザーブインジケーター(10)、ムーンフェイズ(11)、ビッグデイト(12)、レトログラード機構(13)、ロングパワーリザーブ機構(14)などを搭載したモデルが、フレンドリーな価格でも楽しめるようになった。より高価格帯では、天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲ(15)が開発したトゥールビヨン(16)のほか、パーぺチュアルカレンダー(17)、ミニッツリピーター(18)、グランソヌリ(19)などを搭載したモデルもある。

時計ジャーナリズム界のご意見番、瀧澤広さんは、機械式時計の魅力を端的にこう語ってくださった。

「COSC(20)の基準では日差マイナス4〜プラス6秒。1日8万6400秒の約0.007%の誤差しか認めない。そんな機械、身近にありますか? クルマのスピードメーターでは4%の誤差なんてよくありますが、時計に置き換えたら1日に1時間狂う。だから機械式時計はすばらしいんです」

そのすばらしさをじっくり味わうためにも、まずは基礎用語のマスターから始めてみては?

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