世界的に注目される食物繊維の新たな実力(2020.05.29)

発酵性食物繊維腸内発酵腸活

世界的な研究で明らかになった食繊繊維のチカラ

炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5大栄養素に続く〝第6の栄養素〟として注目を集める食物繊維。

食物繊維といえば、水溶性と不溶性に分類されることで知られているが、これはあくまで水に溶けるか否かの視点。いま注目の腸内細菌の働きを助ける視点から注目すべき食物繊維のキーワード、それが “発酵性”だ。

我々の腸内には40兆もの腸内細菌が存在する。このうち有用菌と呼ばれる腸内細菌群は、特定の食物繊維をエサとして“発酵”し、短鎖脂肪酸などのヒトにとって有益な物質を作り出し腸内環境を改善する。この腸内細菌の発酵を促すチカラの源となるのが「発酵性食物繊維」なのだ。

発酵性食物繊維の啓発を行うグループ『発酵性食物繊維コンソーシアム』の代表であり、日本食物繊維学会の理事長の青江誠一郎先生は、そんな発酵性食物繊維について次にように話す。

腸内の有用菌を増やす発酵性食物繊維

「体の中でも、腸内細菌によって発酵や腐敗が起こっています。腸の中で発酵するのが有用菌、腐敗するのが有害菌、環境によってどちらにもなるのが日和見菌です。有用菌は、発酵性食物繊維をエサにして増え、有害菌は肉や脂肪をエサにして増えます。

発酵性食物繊維は、自分の腸内に定着している有用菌を増やし、有害菌の居場所を減らして腸内細菌のバランスを整える、まさしく腸活の主役となっているのです」

発酵によってつくられる短鎖脂肪酸が健康増進に役立つ

「腸内発酵で注目したいのは、代謝によってつくられる物質です。乳酸菌は発酵によって乳酸をつくるため、このような名前で呼ばれています。有用菌には乳酸の他、酢酸、酪酸、プロピオン酸といった短鎖脂肪酸という物質をつくります。これらは、腸内を酸性に傾かせ、酸素を少なくすることで、ビフィズス菌などの有用菌が棲みやすい環境づくりをしています。

一方、有害菌は発がん物質など体に悪影響を及ぼす物質をつくりだします。

近年注目されているのは、短鎖脂肪酸の働きです。短鎖脂肪酸の酢酸はお酢の成分で、食事として摂ることも可能ですが、小腸で吸収されてしまうため大腸まではほとんど届きません。ゆえに大腸で腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくりだすことが重要です」

発酵性食物繊維が多く含まれるのは穀類、根菜、豆類

「食物繊維というとサラダなど葉物野菜を想像しますが、発酵性食物繊維は茶色系の食品に多く、その代表の穀類にはβ-グルカン、アラビノキシランといった発酵性食物繊維が豊富には含まれ、主食として食べられることから多くの量を摂ることができます。

他には根菜にイヌリン、豆類にはオリゴ糖などの発酵性食物繊維が多く含まれています。果物にも発酵性食物繊維のペクチンが含まれ、多く含まれるものの代表はキウイフルーツです。

こんにゃくは食物繊維を含む代表的な食品として知られますが、実は含まれるグルコマンナンという食物繊維はほとんど発酵せず体外へ排出されてしまいます。

ヨーグルトも腸活にとって有効な食品ですが、ヨーグルトに含まれる菌は大腸に到達しても、定着せずに体外へ排出されてしまいます。食品など外部から摂る菌は、ほとんど定着しないといわれています。

一方、人間の腸内には、生まれた時に母親から受け継いだ菌が棲んでいます。

そこで、これからの腸活は自分の腸にもともと定着している有用菌を増やすことがポイント。そこに大きく役立つのが、発酵性食物繊維なのです」

発酵性食物繊維腸内発酵腸活

青江誠一郎(あおえ せいいちろう)先生
大妻女子大学・家政学部食物学科・教授/農学博士日本食物繊維学会 理事長/編集委員 
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。一般社団法人日本食物繊維学会副理事長。雪印乳業株式会社技術研究所を経て平成15年度より大妻女子大学家政学部助教授に就任。平成19年度より現職。

 

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