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食物アレルギーの予防にスキンケアが重要だというのは本当か?(2020.09.30)

加水分解コムギ食物アレルギー経皮感作

小麦成分配合の石けんで食物での小麦アレルギーになった事件

化粧品の成分である『加水分解コムギ』配合の石けんを使った人々の中に、目が腫れるだけでなく、小麦製品を食べて小麦アレルギーになるという事件があった。

2009年秋、日本アレルギー学会にて、初めて『加水分解コムギ配合の石けんと小麦アレルギーに関する症例』が、ひとりの医師から発表された。

その後数年で、同じ疾患を訴える人が爆発的に増え、社会現象になったほど。この事件から、皮膚を通じて食物アレルギーになる症例が、本格的に研究されるようになったという。

そこで、筆者が皮膚科医に教えてもらった“食物アレルギーとスキンケア”に関する情報を伝えていくことにしよう。

肌荒れした皮膚から食物成分が入り込む

皮膚科医「現在、食物アレルギーの予防として、スキンケアの効果が期待されています。

そのようにスキンケアの重要性が注目されたきっかけは“皮膚から食べ物が入って、食物アレルギーになる”、いわゆる『経皮感作』(けいひかんさ=皮膚を通してアレルギー反応が起きること)という食物アレルギーの新しい仕組みの発見でした。

食物アレルギーは、基本的に「食べてなる(経口感作)」と考えられてきました。

しかし、食物アレルギーになる過程で、乾燥肌や湿疹、特にアトピー性皮膚炎があると、肌荒れした皮膚から食物成分が入り込み、食物アレルギーになりやすいことがわかってきたのです。

もし、肌荒れが食物アレルギーの原因になるとすれば、肌荒れを防ぐこと、つまり“スキンケア”が食物アレルギーの予防になると考えるのは、とても自然なことです」

アトピー性皮膚炎の人は皮膚以外のアレルギーも起こりやすい

皮膚は、外界から体を守るバリアの働きをしている。皮膚バリアのおかけで、体内の水分は保たれ、ほこり、汗、細菌など、体外からのさまざまな刺激を受けずに済んでいる。

アトピー性皮膚炎の人は、生まれつきこのバリア機能が弱いことで知られている。

皮膚科医「例えば、フィラグリンという皮膚のバリア成分の遺伝子異常は、日本人のアトピー性皮膚炎の患者さんの約3割に見つかります。

この遺伝子に異常がある場合、生後半年までに重症のアトピー性皮膚炎を発症し、食物アレルギーを合併したり、大きくなると喘息や鼻炎など、皮膚以外のアレルギー疾患も起こりやすくなることがわかってきました」

顔だけでなく、手も保湿して食物アレルギーを防ごう

乳幼児は、母乳やミルクを頬にこぼしながら飲んだり、離乳食のときには、顔や手などを汚しながら食べる。

肌荒れした皮膚から食物成分がたくさん入り込み、それが日常的に繰り返されれば、それがアレルギーに何らかの悪影響を及ぼしても不思議ではない。

皮膚科医「じつは、アトピー性皮膚炎の方は、赤ちゃんだけでなく、大人でも経皮感作食物アレルギーになるリスクがあります。お料理のように繰り返し食材を素手で触る状況にて起きるので。

つまり、主婦の方や調理師さんのように、日頃から長時間の水仕事や洗剤などで少なからず表皮バリア障害があると、肌荒れした手の皮膚から繰り返し食物が入り込む。それで食物アレルギーになる可能性が高まるのです。

この場合、手で触れたとき、初めは食物に触れた手だけに蕁麻疹が出るだけ。しかし、そのまま手からの食物の接触を絶たないと、次第に食べたときにも口がかゆくなるなどの症状が出て、中にはアナフィラキシーに進展してしまう方もいます。

もし、皮膚のバリアが損なわれているために、さまざまなアレルギー疾患になるとすれば、バリアの働きを補うようなスキンケアでアレルギーを予防したいものです」

乾燥肌で、特に両親や兄弟にアレルギーがある場合は、スキンケアでの保湿はとても重要だ。

また、皮膚が汚れないよう清潔に保つことは大事だが、強く擦ることはバリアを損なうので気をつけよう。

新型コロナで手洗いする回数が増えている現在。洗浄した後は、面倒でもその都度、ハンドクリーム等で保湿することをニューノーマルにしてほしい。

 加水分解コムギ食物アレルギー経皮感作

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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