飲むより〝嗅ぐ〟が効果的!?コーヒーやウイスキーの香りで脳が活性化(2020.10.20)

大脳辺縁系α波P300中隔側坐核

なぜ香りは感情に働きかけるのか?

鼻から入った嗅覚情報は、喜怒哀楽や快・不快を支配する大脳辺縁系に直接届く。

このように、脳へダイレクトな情報伝達ルートをとるのは、さまざまな感覚の中で嗅覚だけ。それ故、エッセンシャルオイル(精油)の香りで、気分が変化するわけだ。

医学的にも、ラベンダーの精油はリラックスのα波を多く出現させ、レモンの精油は脳を活性化(頭の回転を早くする)させる効果がある、と認められている。

男性は精油を日常的に取り入れる習慣がない人も多い。しかし、年齢と共に仕事や家庭の重圧を感じる男性にも、香りで気分転換していただきたい!

そこで、筆者が大学医学部 精神神経科学教室の教授に教わった、男性にも取り入れやすい香りの使い方を伝授しよう。教授がオススメするのは、コーヒーとウイスキーの香りだ。

コーヒーの香りによってリラックスと活性の作用が違う

教授「脳波や脳機能画像を使って調べた結果、コーヒー豆の種類、つまり香りの違いによって、脳に対する働きかけが違うとわかったのです。

実験に使用したコーヒー豆は、ブラジルサントス、グアテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイコナの6種類。

これらを中煎り、中挽きにして98℃で淹れたコーヒーの香りを、被験者10名に約6分間嗅いでもらいながら、その間に出現するα波を測定しました。

すると、ブルーマウンテンとグアテマラにα波が多く出現。マンデリンやハワイコナにはα波の出現が少なかったのです。

次は、脳の活性効果の指標となる脳波成分『P300』を、コーヒー豆別に実験。すると『P300』が多く出現したのは、ブラジルサントスとマンデリンでした。

これらの香りには、頭の回転を早くし、情報処理のスピードアップにも効果があるとわかったのです。

逆に、リラックス効果の高かったブルーマウンテンとグアテマラには、その効果は認められませんでした」

このことから、仕事の処理能力を高めたいときは、ブラジルサントスとマンデリンの香りを堪能しつつ飲むといいだろう。

リラックスしたいときは、ブルーマウンテンやグアテマラを嗅覚と味覚で楽しみたい。

ウイスキーは嗅ぐだけでも心地良くなる

教授はウイスキーの香りと脳の働きの関係も調査したという。調べるにあたっては、PET(ポジトロン断層法。脳の血流や代謝を観察できる)を利用。

実験に使用したのは、ウイスキー、エタノール(アルコール)、蒸留水の3つ。被験者は10名で、それぞれの香りを嗅いでもらい、そのときに血流量がどう変わるか、つまり、脳の血の巡りを調べたわけだ。

「大脳辺縁系には、心地良さを感じる中枢のひとつである中隔側坐核(ちゅうかくそくざかく)があります。そこの血流が増え、活動が活発になれば、気持ち良く、安らぎを得られる状態になるのです。

結果は、蒸留水は無臭なので、血流量に変化なし。エタノールも変化なし。

しかし、エタノールにモルト(大麦の麦芽)や樽などの香気成分が溶け込んだウイスキーは、明らかに中隔側坐核の血流量が増え、その部位の活動が活発に。

つまり、ウイスキーは香りを嗅ぐだけで、快感を得やすくなることがわかったのです」

この話を聞いてから、筆者のデスクの上には常にウイスキーの小瓶が。原稿書きが煮詰まり、ストレスMAXになったとき、瓶のフタを開けて、ウイスキーの香気をクンクンと嗅いでいる。

すると、ふわ~んと気持ち良くなり、脳の緊張が解けていくような感覚に。この感覚、ウイスキーを飲んでいるときより、気持ちいいくらいだ。

ストレス過多なこのご時世、読者諸兄もコーヒーやウイスキーの香りで癒されてみてはいかが?

大脳辺縁系α波P300中隔側坐核

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

その他の情報はこちら!

 

男前度が上がったら記事をシェア!
Men’s BeautyのSNSはこちらからフォローできます