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肥満者ほど〝むせやすい〟。食事中のゲホゲホはエイジングケアの警報だった(2020.10.30)

誤嚥性肺炎喉頭蓋ビタミンB群

ご高齢の方は、食事の際、むせて「ゲホゲホ」と咳き込むことが多い。また、お正月になると、お餅を喉に詰まらせる人も多発。

しかし、むせるのは高齢者だけではない。肥満していると、若くてもむせやすくなってしまうそうだ。

むせるのを防ぐには、まず痩せること。さらに、筆者がアンチエイジング専門医に伺った、むせ防止のコツを伝授するから、試してみてほしい。

気管に異物が入らないようにするフタの機能が衰える

アンチエイジング専門医「食べ物や水、お茶、唾液などを飲み込むとき、気管(※1)に入らないように、瞬時にパタッとフタをする喉頭蓋(※2)があります。

このフタは、脳の延髄にある嚥下(※3)中枢が指令を出すことで閉じるのです。

加齢、および肥満により反射神経、運動神経が低下すると、飲み込むタイミングに嚥下中枢からの指令が間に合わなくなることが。

すると、フタが閉まらないので気管に入ってしまうのです。それを、咳き込むことで出そうとするのが、むせるメカニズム。また、飲み込む筋肉自体の衰えも、むせる原因のひとつです」

※1 気管(きかん):呼吸の際の空気の通路で、食道の前に下がり、分岐して左右両肺につながる
※2 喉頭蓋(こうとうがい):気管と食道の分岐点に存在し、嚥下のときに気管にフタをする)
※3 嚥下(えんげ):口の中のモノを飲み下すこと

むせやすいと肺炎になることも……

アンチエイジング専門医「加齢や肥満に伴って、全体的な神経支配や運動機能が低下すると、食べ物や飲み物、唾液が気管に入りやすくなり、痰も吐き出しにくくなります。

それが原因で、異物が気管内に居座って腐敗し、口の中の雑菌も気管内で繁殖するため、肺炎を起こしやすい状態に。これが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のメカニズムです。

ちなみに、日本人の死亡原因の第4位は、誤嚥性肺炎(1位は悪性腫瘍、2位は心疾患、3位は脳血管障害)。

しかし、90歳以上の方だと、誤嚥性肺炎は第2位に。また、肺炎で死亡される患者さんの95%以上が65歳以上。

それだけ、むせないように気をつけることは、重要なエイジングケアになるわけです」

ビタミンB群で気管のフタの反射神経を改善

アンチエイジング専門医「飲み込むとき、気管のフタが閉まりやすくなるように、反射神経を衰えさせないことが大切。そのためにも、ビタミンB群を意識して摂るようにしましょう。

ビタミンB群は、体の中の代謝における中心的な補酵素。それぞれ助け合いながら脳や神経、皮膚などを健康に保つビタミンなのです」

B1の多い食品は、豚ヒレ肉、生ハム、大豆など。B2の多い食品は、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、焼き海苔、抹茶など。B6の多い食品は、ニンニク、カツオ、マグロ、牛レバーなど。B12の多い食品は、シジミ、赤貝、スジコなどがある。

ゴックンと飲み込む筋肉を鍛えよう!

アンチエイジング専門医「飲み込むための筋肉の衰えを防ぐ訓練も有効です。唇やアゴ、舌などのエクササイズを日課にし、ゴックンと力強く飲み込めるように鍛えてください」

【むせ防止トレーニング】

(3~4回を1セットに1日4~5回程度)

●唇を前に突き出してから、ニッと笑うように横に広げる
●唇をすぼませたまま、左右に動かす
●口を大きく開け、パッと閉じる
●頬を膨らませてから、元に戻す
●舌で左右の口角を触る
●舌を前へ突き出し、奥へグッと引く

お酒は食事が終わってから

アンチエイジング専門医「お酒は神経を麻痺させてしまうので、誤嚥が起きやすくなります。飲酒は食事が終わってからにしましょう。

また、辛いものも気管のフタを閉める神経を麻痺させてしまうので、控えめに」

お餅が喉に詰まったら掃除機で吸い取る!

アンチエイジング専門医「口いっぱいに頬張りながら食べてしまうと、むせやすくなります。ひと口で食べる量は少なめに。

ご高齢の方には、お餅を小さくカットするように配慮しましょう。もし、お餅が喉に詰まってしまったら、口の中に掃除機のホースを入れて、吸い取る方法がベストだといいます」

慌ただしく食事しないように心がける

アンチエイジング専門医「むせる症状が頻発する人は、日常生活を見直してみましょう。

毎日、慌ただしく食事(早食い)をしていませんか? 常にストレスのかかった状態(息の詰まるような)で、追い込まれていませんか?

そうであれば、せめて食事のときだけでも、ゆっくり食べるように心がけてください。

また、テレビなどを観ながらの“ながら”食べも、飲み込むことへの集中力が削がれてしまいます。食事のときは、食べること、飲み込むことに集中しましょう。

ゆっくりと味わって、食べる、飲む、ということは、むせないための最良の方法です」

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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