• TOP
  • ヘルスケア
  • ストレスには『良いストレス』と『悪いストレス』がある?

ストレスには『良いストレス』と『悪いストレス』がある?(2020.11.05)

ストレスストレッサーディストレスユーストレス

高度情報化社会といわれる現代、我々は社会生活を営んでいくうえで、ストレスの要因となる日常的に起こるトラブルから逃れることはできない。

心身ともに健全で充実した生活を送るために、ストレスとどう向き合えばよいのかを考えることが大切だ。そのためには、日常的に積み重なっていくストレスの正体を、きちんと知っておく必要がある。

そこで、筆者が大学医学部 精神神経科学教室の教授に教わった内容を紹介することにしよう。

そもそもストレスの定義って何?

教授「日々起こり小さなトラブル(=デイリーハッスル)の蓄積は、うつ病をはじめ、自律神経失調症、不安障害、過敏性腸症候群、適応障害、不眠など、ストレス症候群の元凶とも言われています。

では、ストレスとは、いったい何なのでしょう?

ストレスの語源は、『歪み』とか『重荷』などを意味し、精神医学では『ストレッサーによる心の歪みと身体の不調』と定義しています。

わかりやすく表現すれば、『心や身体の働きが、何らかの原因でうまく機能しなくなった状態』です。

ストレッサーとは、ストレスをつくる要因のことで、『生物学的ストレッサー』『物理的ストレッサー』『化学的ストレッサー』『心理社会的ストレッサー』という、4つのカテゴリーに分類することができます」

【ストレッサーの分類】(悪いストレス)

●生物学的ストレッサー
睡眠不足、疲労、食欲不振、性的障害、身体疾患

●物理的ストレッサー
騒音、振動、採光、温度、湿度

●化学的ストレッサー
光化学スモッグ、ダイオキシン、悪臭

●心理社会的ストレッサー(ライフイベント)
家族関係:夫婦間での価値観の違い、子供の教育問題、
嫁姑の不和、介護、家族との別離、家計

地域社会:近所付き合いの気まずさ、希望しない役割

職場環境:相性の悪い上司や部下との関係、
自分に合わないと感じる職場、
     低い評価、過重労働、取引先とのトラブル、退職

ストレスには『良いストレス』と『悪いストレス』がある

教授「一般的にストレスというと、すべてが悪者のように受け止めてしまいがち。ですが、ストレスにはユーストレス(eustress)と呼ばれる『良いストレス』と、ディストレス(distress)と呼ばれる悪いストレスがあるのです。

“eustress”の“eu”は、“good”や“well”と同じ『良い』という意味。“distress”の“dis”は“bad”で、『悪い』という意味です。

ちなみに、上記したストレッサーの分類は、ディストレスとなります」

同じストレスでも状況をどう考えるかによって強弱は違ってくる

教授「では、ユーストレスとはどのようなものでしょうか?

一言でいってしまうと、活動エネルギーになる『ほどよい緊張感』です。ほどほどの仕事、ほどほどの勉強、ほどほどのスポーツ、ほどほどのゲームなど、すべてユーストレスといえるでしょう。

このようなストレスは、心理的な良い緊張感と、身体的な活動エネルギーを与えてくれます。ただし、同じストレスでも、状況によっては強く感じたり、弱く感じたりすることが。

たとえば、ラグビーの試合で選手が怪我をしたとします。怪我したことはストレスです。しかし、勝った試合ならそれほど痛みを感じないかもしれませんが、負けた試合になるとダメージは大きくなりがち。

このように、同じストレッサーがユーストレスの要因として作用することもあれば、ディストレスを生み出すこともあるのです。

試験の点数を例にとってみましょう。取った点数が100人中70番だったとします。自分は70番目だと思うか、自分の下にはまだ30人もいると思うかによって、ストレスの対処法はずいぶん違ってきます。

前者はディストレスになりますが、後者のように考えればユーストレスに成り得る。つまり、その分かれ道は“状況をどう考えるか”ということなのです。

できなかったことや失敗したことを後悔しても、何も始まりません。

ふと、何かを考えたとき、『自分はできない』とか、『自分はダメな人間だ』などとマイナス思考にならず、物事をプラスになるように考え、良い面を見ていくようにする、という頭の切り替えが大切。

このような考え方が認知療法の基本となります」

ストレスストレッサーディストレスユーストレス 

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

その他の情報はこちら!

 

男前度が上がったら記事をシェア!
Men’s BeautyのSNSはこちらからフォローできます