体内に棲む菌は60~100種、総重量は1kg超?!(2020.11.30)

体の中にいる菌

体の中には10mにも及ぶ1本の管が通っている

前回、『その数なんと1,000,000,000,000個!体の表面にはどんな菌が棲んでいるのか?』では、体の表面の菌について紹介した。

今回は、体の中に棲んでいる菌について紹介しよう。

体の中は、口の中→食道→胃→小腸→大腸→肛門に至るまで、10mにも及ぶ1本の管が通っている。

ここには、60~100種類、重さにして1~1.5kgもの菌がビッシリと張りついているのだ。体重が60㎏だったら、60分の1は菌が占めていることになる。

そこで、各部位に棲んでいる菌について詳しく説明していこう。

【口の中】

口の中は、100億個もの菌がひしめいている場所。ただし、唾液には殺菌力があるため、病原菌をやっつけることはできる。

だが、就寝中や空腹時には唾液の分泌が減り、虫歯などにかかりやすくなってしまう。

虫歯の元になるミュータンス菌は、バイオフィルムと呼ばれるテントのようなものをつくり、薬剤から身を守る。それ故、虫歯がなかなか根治できないのだ。

歯周病の元になるジンジバリス菌は悪臭を放ち、口臭の原因になる。

虫歯菌が人に移るのはよく知られているが、じつは歯周病菌も移るのだ。キスなどでパートナーに歯周病菌を移さないためにも、歯科医院でしっかり治すようにしよう。

【胃】

食べ物を溶かす胃酸の中で生きられる菌は、ピロリ菌くらい。胃潰瘍の原因になるけれど、花粉症を抑制する働きもあるといわれている悩ましい菌である。

【腸内】

腸内に棲んで、いい作用をする菌は、ほとんどが乳酸菌の仲間。炭水化物をエサに乳酸をつくり出すため、腸の中が酸性で保たれ、病気の原因になる菌の定着・増殖を許さない。

反対に、悪い作用をする菌は、肉などに含まれたタンパク質を分解するとき、腐敗物質を出す。増えすぎるとお腹の調子が悪くなる大腸菌、便を臭くするウェルシュ菌などが代表的。

悪さをする菌はいなくなればいいと思うだろうが、残念ながら悪い菌だけをやっつける薬は、今のところない。風邪をひいたときに抗生物質を飲むとお腹の調子が悪くなるのは、いい作用をする菌も死んでしまうから。

だがしかし、大腸菌は悪さをする菌というイメージが強いけれど、普段はタンパク質を分解して消化を助け、ビタミンをつくり、侵入してきた菌をやっつけるなど、優等生の顔も持っているのだ。

いい菌も悪い菌もいて、はじめてバランスのとれた世界になるのは、人間社会と一緒。悪い菌を追い出すのではなく、いい菌を育て、悪い菌がのさばるのを防ぐことが大切だといえよう。

【膣】

膣は悪い菌が繁殖しやすい場所。温かく湿っていて、オリモノなどの栄養が豊富だから。

さらに、肛門が近いため、大腸菌や雑菌がいっぱい。女性が膀胱炎にかかりやすいのはそのため。

たった1日、彼の家にお泊まりしてパンツを替えなかったら、大腸菌はウエスト辺りまでザワザワと増えているという。彼女が自分の家にお泊まりするときは、ぜひパンツの替えを用意してもらおう!

「お父さんのパンツは汚いから、私のパンツと一緒に洗わないで!」という娘さんは多いが、じつは女性のパンツの方が汚いのだ。でも、それを言うと要らぬ騒動が起こるので、読者諸兄の頭の中にだけ止めてほしい情報である。

だが、膣にはデーデルライン桿菌(かんきん)がいて、バイ菌の侵入を防いでいる。この菌は、膣上皮細胞に含まれるグルコーゲンを乳酸に分解して膣内を酸性に保ち、バイ菌の侵入を防ぐ自浄作用をつくり出している。

だから、膣を洗い過ぎないようにすることが大切。デーデルライン桿菌は、ビフィズス菌と同じ乳酸菌の仲間。爽やかな酸味や多少の匂いがあるのは当たり前なのだ。 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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