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『全集中の呼吸』は漫画の中だけじゃない!?自律神経を整える呼吸で“気”を巡らせる(2020.12.24)

呼吸法横隔膜自律神経

2020年11月2日、衆院予算委員会にて菅首相が「全集中の呼吸で答弁する」と超絶人気漫画のセリフを引用したことは、記憶に新しい。

説明するまでもないが『全集中の呼吸』とは、漫画やアニメに登場する人物が習得する“身体を極限まで活性させる”呼吸法のこと。今、日本は“呼吸”というワードに釘付けだ。

だが、漫画の中だけでなく、呼吸というのは心身をリラックスさせたり活性化させたりするうえで、とても重要な役割を持っている。

そこで、筆者が内科医、中医師(中国の伝統医学である中医学を実践する医師)、鍼灸師への取材で得た、呼吸に関する知識をまとめてみた。ご一読いただければ幸いだ。

横隔膜の周辺には自律神経が密集している

最近は、猫背など姿勢の悪さから、肺が圧迫されて深い呼吸ができず、呼吸が浅くなっている人が増えているという。

問題は姿勢だけではない。仕事や家事に追われて気が休まる間もなく、ストレス社会を生きる現代人は呼吸が浅くなりがち。

しかし、呼吸を意識して深くすると、自律神経の乱れを改善させることができる。その秘訣は、呼吸のときに使われる『横隔膜』(※)にあり!

※肋骨の5~6番目あたりに位置し、ドーム状に横たわる形をしている筋肉。収縮・弛緩により呼吸作用を行う

横隔膜の周辺には自律神経が密集しており、息を吸ったり吐いたりするときの横隔膜の運動で、自律神経が刺激されてスイッチが切り替わるのだ

●息を吸うとき:横隔膜が収縮し、緊張している状態→交感神経が優位に
●息を吐くとき:横隔膜が弛緩し、リラックスしている状態→副交感神経が優位に

このように、交感神経と副交感神経のオン・オフが交互に繰り返されることで、自律神経のバランスがとれるわけ。

浅い呼吸では横隔膜の運動が小さく、オン・オフの効果が十分に現れにくい。また、深い呼吸をしないと、肺を広げる筋肉も硬くなり、ますます深い呼吸がしにくくなる。

だからこそ、1日に何回かは意識して深い呼吸を行い、自律神経を整えるようにしよう。

ちなみに『深呼吸』とは、先に息を吐き切り、吸うのは後。息を吐き切れば、その分、たくさんの空気を吸い込めるから。『呼吸』という文字も、『吸うを呼ぶ行為=吐く』が先で『吸う』が後になっているわけだし。

胸式呼吸でもたくさん空気を出し入れすると自律神経が整う

「自律神経を整えるには、胸式呼吸ではなく、腹式呼吸せよ」といわれている。しかし、自律神経を整えるために、必ずしも腹式呼吸でなければいけない、というわけではない。

普段、我々が行っている呼吸は、ほとんどが胸式呼吸。横隔膜を意識して上げ下げする腹式呼吸は、慣れないうちは難しく「できない……」とあきらめてしまう人もいる。

だが、胸式呼吸のときも横隔膜は上下しているのだ。もちろん、動きの幅に差はあるが、普段の胸式呼吸でも横隔膜の動きを意識しながら、たくさん空気を出し入れしてみよう。

そうすれば、通常より横隔膜の上下運動が大きくなり、自律神経のバランスを整えることができる。

寝姿勢だと誰でも簡単に腹式呼吸ができる

さらに、ほとんどの人は寝ているとき、自然と腹式呼吸になっているという。

特に、あおむけに寝る、ソファーなどの背もたれに深くもたれる等の姿勢のときは、無意識のうちに横隔膜を上下させる呼吸=腹式呼吸に切り替わっている。

無理に「腹式呼吸しなければ!」と思わなくても、普段の生活でちょっと意識して呼吸を深めにする。または、寝そべったりソファーなどにもたれたりして、自然と腹式呼吸になる体勢をとる。

これだけでも自律神経を整える効果があるのだ。

へそ下にあるツボ『丹田』を意識した呼吸で気が巡る!

就寝時や寝そべった状態で腹式呼吸をしているとき、へそから10cmほど下にある『丹田(たんでん)』というツボを意識しながら行ってみよう。

東洋医学では、丹田は体を循環する『気・血・水』の『気』の中心であり、体の中心と捉えられている。

全身を巡る気が集まるエネルギーセンターともいわれ、このツボに意識を向けて深い呼吸をすると、気の流れが整い、心身の調子もよくなるわけだ。

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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