医師が説く「化粧水は不要」説は本当なのか?(2021.01.26)

化粧水ターンオーバー保湿

医師は病気のプロであって、化粧品のプロではない

筆者が頻繁にチェックしている某著名人のブログ。そこにある日、こんなことが書かれていた。

要約すると「形成外科医が書いた皮膚についての本を読んで、化粧水をやめた。もう1か月以上続けているけど、どうなのかな~。ワセリンをつけているからつっぱることはないけど、なんだかシワが増えたような……。でも、もう少ししたら変わるかもしれないので、がんばってみる!」とのこと。

その形成外科医の本は現在、ヒットしているらしく、筆者もチェックしてみた。

その医師曰く、化粧水はほぼ水分。ほんの少し成分が配合されているだけで、油分はほとんど入っていない。

たくさん使えば多少しっとりするけれど、そのしっとりの正体は、肌に残った若干の保湿成分。肌自体がうるおっているわけではない。だから化粧水は不要。という理論だ。

おそらく世の中の多くの人は、医師と化粧品メーカーの研究員では、医師のほうが皮膚に詳しいと思っているだろう。

もちろん、医師は病気についてのプロだ。だが、一部の化粧品に詳しい美容皮膚科医以外は、皮膚と化粧品の作用について、深くは知らない人が多いという事実がある。

なにせ、化粧品メーカーの研究員は、365日、肌や髪が美しくなることだけを研究し続けているのだから。

そもそも、化粧水の主な作用は、単なる保湿ではない。肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常化し、次の化粧品の浸透を高め、化粧品の油分を毛穴に詰まりにくくする作用なのである。

化粧水は肌内部の酵素を活性化する!

肌荒れは、主に皮膚のターンオーバーの乱れが原因。年齢によって差はあるが、正常なターンオーバーの平均的サイクルは、顔の皮膚で約20日間、他の皮膚は約28日間だといわれている。

肌が荒れると油分の多い化粧品をメインにしがちだが、まず必要なのは化粧水の水分!

角層(体内の水分蒸散を防いだり、外からの侵入物を防ぐバリア機能)を構成している角質細胞は、正常なターンオーバーのサイクルでは、古くなると自然に剥がれ落ちる。それは、角質細胞を剥がす酵素が肌の中にあるから。

でも、この酵素は水分が少なくなると働きが鈍るという特徴がある。だから古い角質が溜まり、肌がザラザラと荒れてしまうのだ。それ故に、スキンケアの最初に化粧水でしっかり水分補給をしてあげよう。

化粧水はうるおいの“呼び水”となる

また、化粧水のうるおいが道すじになり、次につけるスキンケアの浸透を高めるという作用もある。

特に気温が低く空気が乾燥していると、角層がガチッと硬くなり、目が詰まったような状態に。これは、肌内部のうるおいを逃がさないための防御反応。

しかし、この反応は、化粧品による外側からのうるおいを浸透させにくくなってしまうというデメリットが。だからこそ、化粧水をたっぷり使い、一時的に肌のガードをゆるませて。

化粧水とは、まさにうるおいの“呼び水”だといえるだろう。

例えば美容液は、美白やリフトアップなどの機能的な成分がメイン。乳液は角質細胞の周りにある細胞間脂質になじむ作用。クリームはうるおいに加えて油分も豊富に含んでいるから、肌を軟らかくし、うるおいの蒸散を防ぐ。

それに対して、化粧水は水分を与えるのが最大の役割。畑の土に水を撒き、柔らかくしてから養分を与えるのと同じで、肌も先に水分を与える必要がある。

化粧水の水分はコスメの油分を毛穴に入り込ませない

さらに、クリームなどの油分がリッチに入った化粧品をつける場合も、化粧水で肌を十分に湿らせるべき。

肌表面に水分が足りないと、油分の広がりや浸透が悪くなり、油分が毛穴に滞ってしまう。これが、クリームがベタつく原因でもある。肌に水分が足りていれば、クリームを塗っても嫌なベタつきは感じないのだ。

また、化粧水でたっぷり湿らせておけば、油分は動きやすくなり、トロトロと広がって毛穴に詰まりにくくなるわけ。

乾燥するけどテカリやニキビが気になる人こそ、化粧水はマストアイテムだといえるだろう。

化粧水ターンオーバー保湿

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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