4タイプに分類!「自律神経の乱れ」を整える方法(2021.02.22)
健康にも影響を与えるといわれ、注目を集める「自律神経」の働き
先週2月18日は二十四節気の一つ、「雨水(=うすい)」だった。これは〝空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ〟を示し、農耕の準備を始める目安とされてきた。
実際に関東から九州では21日(日)に4月を思わせる気温を記録。しかし今週半ばから再び冷え込みが予想されるなど、寒暖差による体調の変化には十分に注意したいところだ。
さらに、この時期は湿度や気圧の変化など、身体に影響を与える要素が多い。
そんな我々の体調に深く関与していると言われているのが自律神経だ。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、心身が興奮してアクティブな状態のときは「交感神経」がアクセルの働きをする。
一方、リラックスしている時や睡眠時にブレーキの役目を果たすのは「副交感神経」。理想はこの二つがともによく働いている状態だが、それを保つことは、ストレスの多い現代人には簡単なことではない。
というわけで近年は健康にも影響を与えるといわれ、注目を集める「自律神経」の働き。
今回は「ウェルラボ」が公開している、自律神経研究の第一人者・小林弘幸教授の監修による自律神経についてのレポートを紹介しよう。
■自律神経とは何か
そもそも、自律神経はどんな働きをしていて、「自律神経が整っている」とはどういう状態なのだろうか。
運動神経などとは違って自分の意思でコントロールできず、自律して機能することから「自律神経」と名付けられた。
そのおもな役割は、生命活動を支えること。
具体的には、主に次のような働きがある。
・心臓の動きを調整する
・胃腸の働きをコントロールする
・発汗を促して体温を調整する
・血管を広げたり、収縮させたりして血圧や体温を調整する
■自律神経には交感神経と副交感神経がある
自律神経には、身体や頭がアクティブに働くときに優位になる「交感神経」と、身体や心がリラックスしているときや睡眠中に優位になる「副交感神経」がある。
自動車にたとえるなら、興奮や活動を促す交感神経はアクセル、リラックスや安定を促す副交感神経はブレーキの役目を担う。
交感神経と副交感神経の働きを1日の流れで考えてみると、朝、目覚めてから日中に活動しているときは、交感神経が優位な“アクティブモード”に。
夕方ごろからは徐々に副交感神経が優位な“リラックスモード”になる。
また、眠っているときは副交感神経が活発に働き、身体を休めながら、翌日にアクティブに働く準備をするのだ。
■自律神経の働きはなぜ乱れるのか?
車と同様、人間もアクセルとブレーキがよく働いているのが理想の状態だ。
しかし、その機能はストレスや加齢によって低下することがあるという。
・ストレスと交感神経
ストレスが加わると、身体や頭はそれに対抗しようと、交感神経が優位なアクティブモードを加速させる。
ストレスが強かったり、アクティブモードが長続きしたりすると、交感神経の働きが過剰になってしまう。
すると、夜になっても副交感神経が優位になりきれず、疲れがとれない、手足が冷えたり筋肉がこる、胃腸の働きが悪くなるなどの影響があらわれるのだ。
・加齢と副交感神経
加齢も自律神経の働きを乱す要因のひとつとされる。
とくに副交感神経の働きは、男女ともに、30代以降からガクッと低下していく(グラフ(3))。
現代人にとって、過剰になりがちな交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位に導くことが、「自律神経の機能を高める」ことにつながるといえるだろう。
グラフ(3)
出典:「つけて深睡眠 疲れとり首ウォーマー」(2012)/小林弘幸
