ストレスでニキビができやすくなる理由とは?(2021.03.29)

ニキビの背景には心の問題も隠れている

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多くの皮膚科医は、ニキビ治療と並行して、食生活の指導やスキンケアのアドバイスも行っている。さらに、気持ちの有りようがニキビを悪化させるケースも多々あるため、ときには心の問題まで踏み込まなければならないこともあるという。

特に就職してからの3年間は、ニキビ発症率が高まると皮膚科医はいう。それは、学生時代とは違う上下の人間関係や、仕事への重圧などが関与していると考えられる。

では、そういったストレスがなぜニキビを誘発するのか? 筆者が多くの皮膚科医に取材して得た知識から解説していこう。

知っているようで知らない!?自律神経の乱れとは

皮膚トラブルの原因として、よく『自律神経の乱れ』という言葉が使われる。自律神経は、脳から内臓、皮膚の血管まで全身に張り巡らされており、交感神経と副交感神経の相互作用によって、それぞれの働きをコントロールしている。

たとえば、人が怒りや恐怖を感じたり、極度の緊張状態のときに脈拍が増し、汗が出てくるのは、交感神経の作用によるもの。

一方、食事中や休息時など、リラックスした気分のときには、副交感神経の作用によって心拍数が低下し、唾液や消化液が分泌されて消化機能が高まった状態になる。

こうして無意識のうちに、双方が緩急のバランスをとることにより、体が安定した状態に保たれているのだ。

ところが、イライラや不平不満が募り、交感神経ばかりが作用し続けると、体は戦闘モードに入り、筋肉に血液が集まってしまい、皮膚の血行は悪くなる。

この状態は、肌にとって悪いことこのうえない。『自律神経の乱れ』とは、このアンバランスな状態を指している。

ストレスは皮脂腺を発達させ、皮脂分泌も増やす

脳の視床下部(ししょうかぶ)は、ストレスを受けると自律神経を通して、腎臓の上に位置する副腎(※)に信号を送り、副腎皮質からアドレナリンという物質を放出する。

※)副腎は小さな三角形をした形(餃子くらいの大きさ)の臓器で、左右の腎臓の上の後腹膜腔と呼ばれるところにある。外側にある皮質と呼ばれる部分と、内側の髄質と呼ばれる部分で、体の恒常性を保つために重要なホルモンを分泌する

そうすることによって、体の免疫を増強しようとするわけ。また同時に、脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンにより、副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌され、免疫を抑制しようとする。

戦闘姿勢を見せて体をストレスから守ろうとするアドレナリンと、「まあまあやり過ぎはいけないよ」となだめる糖質コルチコイドがバランスをとるという仕組み。

だが、自律神経が過度に緊張する時間が長く続くと、糖質コルチコイドの分泌が増すばかりでなく、糖質コルチコイドと同じく副腎皮質から分泌される男性ホルモンの量も増し、皮脂腺を発達させ、皮脂の分泌を高めてしまう。

それでニキビができやすくなってしまうのだ。

肌と心のために自分へご褒美をあげよう!

では、ストレスで乱れた自律神経をどう整えばいいのか? その答えも視床下部にあり。

脳の視床下部は、自律神経のコントロールを行っている場所で、ここに免疫力を増強させる部位がある。

視床下部には、快感、やる気、リラゼーションを司る『報酬領域』と、嫌悪を司る『罰領域』の中枢があり、この報酬領域が刺激されると免疫力が高まるという。

だから、ストレスニキビをつくらないためにも、できるだけ報酬領域を刺激する機会を増やしていこう。いわゆる、自分に“ご褒美”をあげるわけだ。

何が快感で、何を癒しと感じるかは人それぞれだが、ごく身近なところでは、質のいい睡眠や入浴は報酬領域を刺激するといわれている。

メンズビューティーには、睡眠や入浴の記事が多く配信されているので、『睡眠』『入浴』で検索し、ぜひ参考にしてほしい。

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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