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【歯科医師が解説】歯を抜けたまま放置していると、どうなるか知ってる?(2021.05.24)

高収入な男性ほど歯のメンテナンスに力を入れている

口腔内環境歯を失う平均年齢インプラント川本祐輝

風水では、歯は“収穫”という意味を持ち、特に金運を左右するパーツとして知られている。すなわち、歯が抜けていたり、虫歯や欠け、すき間、汚れなどがあると、収入が上がりにくい、というセオリーがあるそうだ。

スピ系の真偽は定かではないが、『億り人』とまではいかなくても、高収入な男性ほど歯のメンテナンスに力を入れている、というのが多くの歯科医師の見解。

医学的にみても、歯を抜けたまま放置するのは、口腔内環境の崩壊が始まる第一歩だと、品川東口歯科の川本祐輝先生は指摘する。その詳しい内容を読者諸兄と共有していきたい。

初めて歯を失う平均年齢は44~45歳

川本先生「厚生労働省の発表によると、日本人が初めて歯を失う平均年齢は44~45歳だといわれています。失った歯が奥歯で、口を開いても見えない部分だと、そのまま放置される方もいらっしゃいますね。

たとえば、右側の歯を失ったら、人間は噛みやすいところで噛もうとするので、今度は左側ばかりで噛むようになります。それが長期間続くと、左側の歯もダメになってしまうわけで。

では、次はどこで噛むのかというと前歯(※1)なのです。しかし、前歯は噛むのに適していない歯。噛むという行為は奥歯(※2)の役割ですから。

※1)前から3番目までの歯を指す。正面の1番目を中切歯(ちゅうせっし)、2番目を側切歯(そくせっし)、3番目を犬歯(けんし/糸切り歯ともいう)と呼ぶ
※2)前から4番目より後ろの歯を指す

前歯の役割は、歯ぎしりをしたときに力を逃がす、発音をする、というもの。ですから、前歯で噛み続けていると、前歯もダメになってしまうのです。

1本の歯を抜けたままにしておくことだけでも、歯全体が悪くなるという悪循環に陥ります」

歯を抜けたまま放置していると、元々噛み合っていた歯が伸びてくる!?

川本先生「歯は上下対になって生えていますよね。たとえば、下の奥歯が抜けて、そのまま放置していると、上の奥歯が下がってきてしまうのです。歯は噛もう噛もうとするので。

歯が下がってくると、隣の歯との間に段差が生まれ、物が詰まりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。

なお且つ、歯というのは、どれだけアゴの骨の中に埋まっているのかが重要。歯が抜けて、元々噛み合っていた歯が下がってくる、または、上がってくることで、アゴの骨の支えが少なくなるので、グラグラと揺れてきます。

つまり、そのまま放置していると、より物が詰まりやすくなり、虫歯のリスクが高まり、さらには歯周病が進み、歯がダメになりやすいのです」

隣の歯を失った歯は、支え合いたくて前方に傾く

川本先生「また、抜けた歯の後ろの歯にも悪影響が。歯は全体的に前方に倒れる傾向にあります。

ですから、支え合っていた歯がなくなると、歯がなくなったスペースの方へと倒れるように傾いてくるんですね。

すると、歯を磨きづらくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるのはもちろん、将来、インプラント治療(※3)をしたくても、スペースがなくなってしまうのです。

※3)歯を失った顎骨(がっこつ=アゴの骨)に人工の歯根(インプラント)を埋入(まいにゅう)し、歯を補う治療法

ですから、傾いてしまった歯を矯正して元の位置に戻さなければなりません。すると、余計にお金と時間がかかるわけです」

歯が傾くと、義歯を入れるスペースがなくなってしまう

川本先生「歯が傾くと、インプラント治療だけでなく、入れ歯やブリッジ(※4)も装着しにくくなります。

※4)失った歯の本数が少ない場合に用いられる治療法。失った歯の両隣に残っている歯を削って土台をつくり、そこにブリッジの名の通り、橋を架けるように人工歯を被せる

ブリッジの場合、平行性が求められるので、土台となる歯が傾いていると、矯正治療を行い、治さなければならない可能性があります。

歯が傾いたままブリッジにすることもできますが、その場合、多く歯を削ることになってしまうかもしれません。神経に当たってしまうと、神経を抜くこともあります。神経を抜いてしまった歯はとても弱くなるので、ブリッジ自体も長持ちしなくなる可能性が。

歯を喪失してから、何年くらいで隣の歯が傾くのかは、非常に個人差があるので、一概にはいえません。ですが、1本でも抜けたまま放置していると、残りのすべての歯に悪影響を及ぼしてしまうことを覚えておいてください。

もし、将来、お金に余裕ができたらインプラント治療をしようと思っているのなら、その間は入れ歯で周囲の歯が動かないようにしておくべきです」

次回は、インプラント、ブリッジ、入れ歯について、詳しく解説していこう。

口腔内環境歯を失う平均年齢インプラント川本祐輝

川本祐輝(かわもと・ゆうき)先生

歯科医師。公立大学法人九州歯科大学卒業。同大学 歯周病科にて研修終了後、品川東口歯科勤務。インビザライン認定医。日本口育協会会員 口育士。若手歯科医師 約1000人の大規模スタディグループ『30 under 30』1期生でMVPを受賞。鶴見大学歯周病学講座 臨床専科生。日本歯周病学会 会員。日本口臭学会 会員。MAKE A LINE会員。

品川東口歯科
https://shdo.jp/

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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