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夏は下痢をしやすい季節!? お腹を下しにくい腸を育むコツとは?(2021.07.29)

ビールを飲んだ翌日、下痢になるのは冷えたから?

下痢胆汁電解質

なぜか夏になるとお腹を下しやすくなる人がいる。通勤電車の中や会議中、渋滞にハマっているときなど、お腹がギュルギュルしだしたら冷や汗モノである。

一般的にエアコンや扇風機に当たり過ぎて下痢はなると「体が冷えたんだな……」ということは自らわかるだろう。

しかし、ビールなどアルコールを飲んだ翌日、下痢になりやすい人もいる。これは単なる冷えなのか?

食生活はお腹への影響大なので、内科のドクターに夏に起こりやすい下痢について伺ってきた。今回は病気とは違う、生活習慣での夏の下痢予防として読んでいただけると幸いだ。

下痢とはどういう症状なのか?

内科医「下痢とは、一言でいうと“便の水分が多すぎる状態”のことをいいます。

正常で理想的な便(バナナ状の固形便)の水分量は約70~80%ですが、水分が80%以上になると『泥状便(でいじょうべん)』となり、90%以上になると『水様便(すいようべん)となります。

このように、液状に近い泥状便と水様便を、短時間で頻繁に排泄する状態を“下痢”といいます」

食べ物の消化吸収と下痢のメカニズム

内科医「下痢になる原因を知る前に、まず食べた物を消化吸収し排便するまでの流れを理解しておいてください。

口から入った食べ物が胃や十二指腸を通るとき、それを分解するために必要な消化液(唾液や胃液など)が分泌されます。

そして細かく分解された食べ物は、次に小腸を通ります。小腸でも消化液(腸液)が分泌されますが、それと共に体に必要な栄養分も吸収されます。

そして大腸では、残っている水分が吸収され、適度な硬さを持った便となり、排泄されます。

口から入る水分(飲み物や食べ物の中の水分)は1日約2l。消化液(唾液や胃液、胆汁、膵液、腸液など)は1日約7l。つまり、1日に9lもの水分が腸を通るのです。そして、そのうち99%が腸で吸収され、便の中に混ざるのは残りの1%(100g)程度。

消化管での、このような水分の出納(すいとう)バランスが少し崩れただけで、簡単に下痢になってしまうのです」

夏の下痢の原因はビールと揚げ物!?

内科医「消化のメカニズムがわかったところで、今度は夏に起こりやすい下痢の原因について解説していきましょう。

まず、急性の下痢で考えられるのが暴飲暴食。食べ過ぎた食物が、腸で消化しきれずに下痢になってしまうのです。

特に、夏場はビールと唐揚げなど、アルコールと油ものを同時に摂りやすい傾向にあります。

アルコールを大量に摂取すると、水分や電解質(ナトリウムなど)の腸から体への吸収が悪くなり、水分と電解質の排出量が増えます。さらに、糖や脂肪の分解・吸収も低下し、下痢を起こしやすくなるのです。

また、揚げ物など油っぽい食品を大量に食べることで、胆汁(※1)の分泌が追いつかず、オーバーワークの状態になることが。

※1)肝臓から分泌される消化液。脂肪の消化を助ける

その結果、脂肪分が十分吸収されないまま大腸に送られてしまうので、お腹が痛くなり、下痢になってしまうのです」

水をガブ飲みすると、逆に体は脱水し熱中症になりやすい

内科医「熱中症にかからないように水分を摂るのは良いことです。

しかし、電解質が含まれていない真水ばかりを摂ると、体の中のナトリウムの濃度が薄まるため、塩分濃度を維持するために尿や便への水分を増やして体外に排出させようとします。このメカニズムのため、下痢が起こると考えられています。

それで体が脱水し、熱中症にかかりやすくなる場合もあるので注意してください。

ですが、運動をしていない状態でイオンバランスの整ったスポーツドリンクを常飲すると、糖分が気になりますね。その場合、水で薄めて、少し塩を加えてから飲むといいでしょう」

下痢のときの食事はどうすべきか?

内科医「下痢になると体内の水分が失われると同時に、体力が消耗します。症状が治まってきたら、体力の消耗を防ぎ、細胞の再生を促すために、できるだけ早く食事をすることが大切です。

おかゆ、よく煮込んだうどんなどのエネルギー源となる食品や、傷ついた粘膜を修復するために必要なタンパク質を豊富に含んだ卵、豆腐、鶏のささ身などがいいですね。他にも、消化吸収のよいヨーグルトや、リンゴをすりおろしたもの、バナナもオススメです。

下痢をしたときに控えるべき食品は、脂肪分の多い肉、うなぎ、揚げ物です。また、腸内で発酵しやすいキャベツ、さつまいも、豆類も控えましょう。

他には、消化吸収の悪いラーメンやお菓子、海藻類、玄米、腸に刺激を与えてしまうカフェイン飲料、炭酸飲料、アルコール類も控えてください。

また、下痢になりにくい腸にするには、一般的によくいわれていることですが、適度に運動をし、十分な睡眠をとることも大切なのです」

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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