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“歯並びがいいor悪い”は遺伝だけでなく、生活習慣が左右する!?(2021.10.25)

歯並び噛み合わせ口臭

ニッコリと笑った顔を見たとき、人の視線はどこに集まるのか? それは、顔の輪郭ではなく、歯の白さや歯並びを見ている、と歯科医師は指摘する。

それほど“歯並び”というのは、人の視覚に与えるインパクトが大きい部位。だからこそ、キレイな歯並びでいると笑顔が魅力的になり、男前度も上がるだろう。

「自分、歯並びは悪くないし!」と自負している人でも、今後の生活習慣次第では、歯並びが悪くなる可能性は大アリなのだ。

そこのところを、品川東口歯科の川本祐輝先生に伺ってきたので、詳細を読者諸兄と共有していきたい。

歯並びが悪くなる3大要因とは?

川本先生「歯並びが悪くなる要因は、大きく分けて3つ考えられます。1つ目は『生まれつき』、2つ目は『成長過程での癖』、3つ目は『大人になってからの生活習慣』です。

ご両親のどちらかの歯並びが悪いと、遺伝する可能性はあります。ですが、今のお子さんは顔が小さい傾向にあるので、その影響も強いと思われます。アゴが小さくても歯の本数や大きさ変わらないので、歯並びは悪くなりがちです。

また、成長過程において、指しゃぶりは歯並びを悪くする大きな要因です。長期間、指しゃぶりを続けていると、前歯が前方に出てしまい、下の前歯は後ろに移動してしまいます。

さらに、小さなお子さんは鼻が詰まりやすいこともあり、口呼吸していることが多いようです。それで口をポカンと開けていると、舌が常に下がってしまう状態になるので、下アゴが小さくなりやすい。それで、下の歯並びが悪くなるわけです。

大人になってからは、歯周病が歯並びを悪くしがちです。歯がグラグラしたり抜けたりすると、他の歯も動いてしまうので。また、歯ぎしりも歯並びが悪くなる原因です。

他には、頬杖をついたり、横向き寝をするときに同じ側でばかり横を向いていると、歯並びに影響してきます。

さらに、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)(※1)といって、物を飲み込むとき、無意識に舌を前に出してしまう癖のある人がいます。お子さんだけでなく、大人でもその癖がある人は少なくないです。

舌足らずのような喋り方になり、発音が悪くなるだけでなく、舌先が前歯を押すので出っ歯になりやすい傾向があります」

※1)舌突出癖に対し、正しい舌の位置で嚥下、発音をするためのトレーニングをMFT(口腔筋機能療法)という。歯科医院にて相談を

“歯並び”と“噛み合わせ”は同じことなのか?

歯科医院で治療中、「噛み合わせが悪い」と指摘されたことのある人は多いだろう。噛み合わせが悪いということは、すなわち、歯並びも悪いのだろうか? とチト不安になるのだが……。

川本先生「“歯並び”と“噛み合わせ”は違うものだと私は理解しています。

アゴの骨の中に歯が埋まっている状態なのが歯並び。噛んでいない状態での歯の並びです。

噛み合わせというのは、噛んだときの状態。歯並びがよくても、噛み合わせが悪い人はいます。

上下の歯並びがキレイでも、アゴの骨自体がズレていると、噛み合わせは悪くなります。ただ、人間の顔は完全に左右対称ではないので、ちょっとのズレは許容範囲かな、と。

ただ、歯並びが悪い人は噛み合わせも悪くなります。強くこだわるのであれば、日本人のほとんどは矯正をしたほうがいい歯並びである、というのが多くの歯科医師の見解です」

歯並びが悪いと口臭がひどくなる!?

悪い歯並びのことを総称して『不正咬合(ふせいこうごう)』という。不正咬合は大きく7つに分けられる。

●ガタガタな歯並び(叢生:そうせい)
●出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)
●受け口(下顎前突:かがくぜんとつ)
●すきっ歯(空隙歯列:くうげきしれつ)
●非対称・ズレ(交叉咬合:こうさこうごう)
●前歯が閉じない(開咬:かいこう)
●噛み合わせが深い(過蓋咬合:かがいこうごう)

川本先生「歯並びが悪いと磨きにくいので、虫歯や歯周病になりやすいです。特に歯周病菌は嫌気性菌(けんきせいきん)(※2)なので、とても臭い。口臭になる大きな要因です。

※2)直接空気にさらされるのが苦手な菌で、舌の上の舌苔(ぜったい)や、歯に沈着するプラーク(歯垢)の中に潜んでいる

また、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなるので、食べ物を細かく噛み砕きにくくなります。すると、消化に負担がかかってしまうので、胃腸にもよくありません。

さらに、噛み合わせが悪いと、無理な力で噛むためにアゴの負担が増え、額関節症になる可能性が高まります。また、首周りや口周りの筋肉が緊張するので、肩コリと噛み合わせの関連性も指摘されています。それが原因で頭痛になることも考えられます」

歯の矯正をすると顔立ちが美しく変わるのか?

マスク生活をしているうちに、歯列矯正を始める人が増えているという。しかし、歯科医師的にベストな矯正をしても、その結果に満足できない患者も中にはいるそうだ。

川本先生「歯列矯正をして出っ歯を引っ込めたら、容貌が美しく変わるんじゃないか、人生が変わるんじゃないか、と過度に期待する患者さんはいます。

しかし、歯並びがよくなっても骨格は変わりません。矯正では期待するほど顔立ちは変わらない、という事実を知っておいてください。骨格を変えるには、骨を切るオペが必要になりますから。また、親知らずを抜いても顔は小さくなりません。

では、歯並びがよくなることのメリットとしては、前述したように歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病を予防し、歯周病菌による口臭を防ぐ等々です。

それ以外に、笑顔が素敵になります。歯並びが悪いと、笑顔に自信を持てない方が多い様子。それで、上手に笑えないという人もいます。

ですから、歯並びがよくなるとコンプレックスがなくなって、心にもいい作用をもたらすと私は考えています。笑顔はその人を魅力的に見せる大きなポイント。男性でも笑顔が素敵な方は輝いて見えますよね」

次回は、話題のマウスピース矯正について、詳しく解説していこう。

22川本先生 お顔写真

川本祐輝(かわもと・ゆうき)先生

歯科医師。公立大学法人九州歯科大学卒業。同大学 歯周病科にて研修終了後、品川東口歯科勤務。インビザライン認定医。日本口育協会会員 口育士。若手歯科医師 約1000人の大規模スタディグループ『30 under 30』1期生でMVPを受賞。鶴見大学歯学部歯周病学講座 臨床専科生。日本歯周病学会 会員。日本口臭学会 会員。MAKE A LINE会員。

品川東口歯科
https://shdo.jp/

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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