【工場取材】現代の刀鍛冶とも呼べる3人の匠に直撃(2016.08.18)

開設以来、半世紀以上にわたり記憶に残る数多くの製品を作り出してきたパナソニックの彦根工場。〝ニッポンのモノ作り〟にこだわり続けるこの工場は、同時に卓越した技巧を持つ現代の匠たちが活躍する、シェーバーの聖地でもあった!

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彦根工場は敷地8万8990平方メートル、1000名以上が働く。電動ハブラシ『ドルツ』やスモーク&ロースター、ナノイーデバイスなども製造している。

1955年の国産初号モデルの誕生から半世紀以上にわたり、日本の電気シェーバーの歴史を作ってきたパナソニック。その生産拠点となっているのが、滋賀県彦根市にある「彦根工場」だ。

工場の開設は1962年。時代とともに海外での生産比重が高まる中、国内生産による高い品質を追求。2009年には、シェーバーの基幹部品である刃とリニアモーターの生産自動化に成功する。

そんな技術開発力に加え、彦根工場は人材も豊富。3つの工程において、至高の技を持つ現代の匠が活躍しているという。

まず川崎義孝さんは、『ラムダッシュ』の心臓部であるリニアモーターを支える部品を作る「射出成形」の匠。製造機械の中で140℃の原料樹脂が射出シリンダーから金型に充填されるのだが、圧力が強すぎても、弱すぎても強度にバラつきが出てしまう。

そこでより繊細な調整を繰り返し、品質を管理していく必要がある。その技術において、川崎さんは他の追随を許さないのだ。

◎リニアモーターを支える極薄樹脂部品を作る匠・川崎義孝さん

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【射出成形】

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リニアモーターの自動組み立てライン。川崎さんが手がけた部品をはじめ、多くの部品が複雑な配線を施され、組み立てられていく。

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川崎さんが手にするのが樹脂製のバネ機構。リニアモーターの軽量化、省力化には欠かせない部品だ。

正木千鶴さんは「開孔選別」と呼ばれる品質検査のエキスパート。プレス成形された直後の、まだシート状の外刃から不具合を見つけ出すのが仕事となる。

聞けば何げない作業にも思えるが、1分間に約100枚のペースでシート状の外刃をチェック。1枚当たり約10分の4mmの穴が1300個ある中から、不具合を見つけ出していくのだ。しかもチェックに拡大鏡などは使わない。自らの目だけで行なうということだけでも驚かされる。

◎些細な不具合も逃さない。60秒で100枚の外刃を検査する匠・正木千鶴さん

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【開孔選別】

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外刃の開孔選別を1人で行なうようになって10年以上。発売された『ラムダッシュ』のすべての外刃をチェックしたことになるという。

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