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アレルギーの悪化にも関与する『副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群』(2022.01.08)

血糖値コルチゾール副腎疲労症候群

血糖値に乱れがあると、その調整のために下降させる、あるいは逆に上昇させるホルモンが分泌される。

前者はインスリンであり、後者の代表格が副腎から出るコルチゾール。つまり、常に血糖値が乱れていればコルチゾールも頻繁に分泌され、副腎は酷使される。

それにより副腎が疲れてしまった状態が『副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群』だ。当然、副腎の機能は低下する。

そこで、副腎の機能の特徴について、筆者が栄養療法専門のドクターから教わったことを公開していこう。

栄養療法専門の医師が説く“副腎の日内変動”

「副腎の働きには、はっきりとした特徴があります。最も副腎が活発に働くのは早朝。その後、午前中から午後にかけて働きは次第に弱くなり、日が陰ってくる頃にはほとんど働かなくなります。

この機能パターンは、副腎が生存を支える働きをしていることと深く関わっているからです。

人間は明るくなってから行動を始めます。動きまわっている日中は敵に襲われる可能性もあるし、襲われれば攻撃を加えて生存を確保しなければならない。生存のホルモンを出す副腎は、活発に働いている必要があるわけです。

このように、早朝に活性が高く、昼間にかけて次第に弱くなり、夕方以降はほとんど働かない、という“日内変動”が保たれているのが、正常な副腎の状態です」

朝だるくて夜元気になる人は、副腎が疲れているのかも

「ところが疲れてくると、この日内変動が保てなくなります。たとえば、朝には活性が上がらず、本来は活性が下がるべき午後に上がってきたり。

朝、副腎が働かなければ、なかなか起きられず、体がだるいと感じます。そして午後、活性が上がれば、やたらと元気になったり。また、夜になってから活性が上がれば、興奮して眠れないことも。

このような傾向がある人は、副腎疲労の可能性があります。ちなみに、副腎の機能を調べるには、唾液のコルチゾール濃度を測定する方法が最も有効です。

通常の医療機関では、昼前後に採血して血中濃度を測ります。しかし、これでは採血すること自体にストレスがかかり、コルチゾールが分泌される(つまり濃度が高くなる)し、夜になって活性が上がるタイプは見逃されてしまいます。

自宅で一定の時間(朝8時、昼12時、夕方4時、深夜0時)に試験管にとった唾液で調べる方法なら、ほぼ正確にコルチゾール濃度の変化がわかり、副腎疲労の有無を知ることができるのです」

副腎疲労は炎症を抑えるホルモンも減少させる

「副腎の疲労は、まず日内変動の異変に現れますが、疲労度が進むと時間帯に関係なく、ホルモン分泌がガクンと減ります。

コルチゾールは炎症を抑えるホルモンでもあるので、その分泌が減れば、炎症を抑えられなくなって、アレルギー症状が起こりやすくなります。また、起きたらなかなか治らない。

アレルギーだけではありません。炎症全般を抑える力が弱まるので、たとえば風邪をひきやすくなり、その症状が長引くことも。

つまり、あらゆる病気に対する免疫力、治癒力が極端に低下するのです」

ストレスも副腎を疲れさせる

「コルチゾールはストレスに対抗する、抗ストレスホルモンとして知られています。ストレスを感じたときに、コルチゾールが分泌されるのです。

嫌いな上司が近くにいて気分が滅入るとき。イヤイヤ残業をこなしているとき。このように、日常的にストレスがかかる状況はいろいろあるでしょう。そんなときにもコルチゾールが出ているのです。

ストレスのタネが至るところにある現代は、コルチゾールを出す副腎にとって、まさしく“受難の時代”。普通に暮らしていても副腎は酷使され、疲れているのです。

さらに、アレルギーを抱えていると、コルチゾールの使用頻度は増えます。花粉症を例にとると、鼻の粘膜で起きている炎症を抑えるためにコルチゾールが動員されます。

炎症が起きている部位からサイトカインという物質が放出され、それが血液で全身に巡り、脳にも送られます。すると、脳から“炎症を抑えろ”という指令が出され、脳の下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が出ます。

このACTHによって副腎はコルチゾールの生成を活性化し、どんどん血液の中に分泌して、炎症部位に送り届け、炎症を鎮めるのです。

いつもストレスに晒されていて、コルチゾールを分泌し続け、副腎が疲れてくると、このアレルギーの炎症を抑えるためのコルチゾールが不足してきます。その結果、アレルギーの症状が悪化することに。

実際、花粉症もアトピーもストレスを感じると症状がひどくなります。特に顕著なのは蕁麻疹(じんましん)。ストレスによって蕁麻疹が出るケースが多いのです。

しかも、主原因はストレスだから、生活習慣を変えてストレスを取り除かなければ、その症状はよくなりません。アレルギーにとってストレスは、想像以上に厄介なシロモノなのです」

次回は、副腎を疲れさせない食べ方のコツを伝授しよう。

 

副腎疲労症候群

 

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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