太っている人はガンになりやすいってホント?(2022.01.24)

ガンブドウ糖肥満AGE

ガンはブドウ糖が大好き!

ガン細胞は分裂を繰り返して増殖し、転移するために必要なエネルギー源を血液中のブドウ糖から得ているという。

ガン細胞のブドウ糖消費量は、正常細胞の6倍以上といわれ、ガンが身体に存在すると、まさに大量のブドウ糖が血液中から消費されてしまう、とアンチエイジング専門医は解説する。その詳しい内容を公開することにしよう。

アンチエイジング専門医「糖尿病の患者さんは血管がボロボロになるため、心筋梗塞や脳梗塞でお亡くなりになることが多い、と思われているかもしれません。

ですが、じつはガンでお亡くなりになる方がいちばん多く、心筋梗塞の3倍以上の死亡率なのです。つまり、ガンはブドウ糖が大好きで、血液中にブドウ糖があふれていると、イキイキと活動性が亢進(こうしん=病勢などが高い度合いまで進むこと)し、仲間を増やすことになるのです。

ガンを早期に発見することができる検査にPETという方法があります。これは特殊な操作でブドウ糖に似た構造に変えた物質を点滴で注入し、その物質をブドウ糖と間違えて取り込んだ小さなガンを見つける画像診断法です」

ガン患者の筋肉が痩せていくメカニズムとは?

アンチエイジング専門医「ガンは、自分に必要なエネルギー源であるブドウ糖を効率よく得るために、身体の組織から血液中へ大量のブドウ糖が供給されるように身体を変化させてしまいます。

正常な状態では、血糖値が低くなってくると肝臓を中心として糖新生(※1)という機能が働き、血糖値が正常だと糖新生は止まります。

※1)エネルギー産生の主要物質であるグルコース(ブドウ糖)が不足した際などに、グリセロール(脂質)、アミノ酸、乳酸など、糖質でない物質からグルコースを生成すること

ところが、ガンがあると肝臓での糖新生が常にフル回転となり、血液中のブドウ糖濃度である血糖値が正常であっても、肝臓は血液中へブドウ糖を供給し続けるのです。

肝臓における糖新生の材料は、糖原性アミノ酸。これは、主に筋肉に多く含まれるため、ガンが存在するとその活動のエネルギー源であるブドウ糖をつくるために、大量の糖原性アミノ酸が消費されることになります。

その結果として、ガン患者さんは筋肉が痩せてきて手足が細くなり、頬がこけるようになってしまうのです」

肥満な人にガンが多いというのは疫学調査で判明している

肥満な人にはガンが多いということは疫学(病気の原因となる条件や背景を調べる)調査でわかっているそうだ。

肥満により発症の危険性が増すのは、大腸ガン、腎臓ガン、食道ガン、乳ガン、子宮内膜ガン等だという。

アンチエイジング専門医「私たちが食事から得た糖質は、ブドウ糖となって血液中に吸収され、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで、細胞活動のためのエネルギー源として利用されます。

このインスリンの分泌量が少なかったり、効きが悪かったりすると、利用されずに余ったブドウ糖が血液中にあふれてきます。この状態が糖尿病。

血液中のブドウ糖は、近くにあるタンパク質とある一定の割合で結合してしまいます。

このブドウ糖とタンパク質の結合は、ブドウ糖の濃度によって決まるので、血糖値が高い場合は、多くのタンパク質がブドウ糖と結合することになります」

血液中のブドウ糖が多いと、ガン以外の病気にもなりやすい

アンチエイジング専門医「ブドウ糖と結合したタンパク質は、形を変えるだけでなく、『糖化』と呼ばれるAGE(糖化最終生成物)になると、フリーラジカル(※2)を発生する原因になってしまいます。

※2)すべての物質は分子から成り立っていて、その分子は原子核と電子からなる原子の組み合わせによって構成されている。通常、分子の中の電子は2つが対をなして安定して存在するが、その電子が対をなさず、ひとつだけ離れて存在することがある。このように対をなしていない電子(不対電子)を持つ原子や分子をフリーラジカルと呼ぶ。活性酸素と混合されることもあるが、活性酸素の中には不対電子を持つものと持たないものがある

糖尿病のコントロールの指標で使われているヘモグロビン・エーワンシー(HbA1c)という値は、ブドウ糖と結合したヘモグロビン(※3)を測定しています。

※3)赤血球に含まれている赤色素タンパク質のこと。鉄(ヘム)とタンパク質(グロビン)が結びついたもので、血液が赤い色をしているのはヘムが赤色素を持っているため。血液中のヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、身体全体に酸素を運び、体内の組織に溜まった二酸化炭素を回収して、再び肺まで運ぶ

このHbA1cが高値ということは、ヘモグロビンの酸素運搬に支障があるということだけではなく、体内のフリーラジカルが大量に産生されていることを示します。

持続的なフリーラジカルの産生は慢性炎症を起こすことに。このことは、ガンの発生を促すだけでなく、脂質代謝も障害され、フリーラジカルによって酸化したLDLコレステロールが動脈硬化をもたらすようになります。

血液中のブドウ糖濃度が高くなることは、ガンへのエネルギー供給が増すだけでなく、発ガン、血管病変形成など、じつに多くの問題の根本的原因をつくることを理解してください」

 ガンブドウ糖肥満AGE

取材・文/ウェルネス・ジャーナリスト 藤田麻弥

藤田麻弥 画像

雑誌やWebにて美容や健康に関する記事を執筆。美容&医療セミナーの企画・コーディネート、化粧品のマーケティングや開発のアドバイス、広告のコピーも手がける。エビデンス(科学的根拠)のある情報を伝えるべく、医学や美容の学会を頻繁に聴講。著書に『すぐわかる! 今日からできる! 美肌スキンケア』(学研プラス)がある。

 

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