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医師が解説、食べる前の「レモン果汁」でコロナ太り対策を!(2022.02.22)
ここ数年で、コロナ太りに悩んでいる人も多いだろう。免疫力を下げないようにするためにも、きちんと食べながらダイエットに励みたいものだ。
手軽に実践できる方法の一つとして、内科医で糖尿病内科の工藤孝文氏は、食べる前に「レモン果汁」を取り入れることを勧めている。その理由や取り入れ方を聞いた。
米飯を食べる前の「レモン果汁」摂取で食後の血糖値抑制効果を確認
工藤先生によれば、「レモン果汁」をご飯を食べるに取り入れることで、食後の血糖値上昇が抑制されることが分かっているという。
「ポッカサッポロフード&ビバレッジの支援よる、同志社大学生命医科学部 糖化ストレス研究センターの八木雅之教授らの研究(※)により、明らかになりました。
この研究では、健常な20~30歳男女12名を対象に、米飯だけを摂取したとき、レモン果汁15gを米飯よりも先に摂取したとき、レモン果汁30gを米飯よりも先に摂取したときの血糖値推移を検証。その結果、米飯を摂取する前に、レモン果汁を摂ることで食後の血糖値の上昇を抑えられることがわかりました」
※Masayuki yagi,et al:Effect of the postprandial blood glucose on lemon juice and rice intake
ダイエットに血糖値コントロールが必要なワケ
血糖値と言えば糖尿病に関係するイメージがあるが、ダイエットを行なう際にも、血糖値を気にする必要があるといわれる。そもそも、どうしてなのか。工藤先生は次のように述べる。
「甘いものやごはんやパンなど糖質を摂ると、分解されてブドウ糖になります。ブドウ糖は腸から吸収され血液の中に入ります。これを血糖といい、血液の中の血糖の量を血糖値といいます。
食後、血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、インスリンによってブドウ糖が細胞内に運ばれ、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。しかし、余ったブドウ糖はせっせと中性脂肪として合成され貯蔵されていきます。
食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることで、ブドウ糖が中性脂肪に変わるのを抑えることができます。血糖値の上昇をゆるやかにするには、いつもの食事に+αが必要です」
レモン果汁の取り入れ方
では、いつもの食事にレモン果汁を「+α」するには、具体的にどうすればいいか。工藤先生は次の3つを挙げる。
レモン水
市販の瓶入りのレモン果汁とミネラルウォーターを割ってレモン水として飲むこと。ミネラルウォーター1.5Lに対して、「ポッカレモン100」などのレモン果汁製品なら約大さじ3を入れるだけで作ることができる。
実は、レモンは香りにも効果が期待できるそうだ。
「レモンの香りや刺激は交感神経を高め満腹中枢に働きかけ、空腹ホルモンといわれるグレリンを抑え込みます。さらに、満腹ホルモンといわれるレプチンの分泌を促します。満腹になるまでタイムラグがあるため、満腹中枢に働きかけるには、食事の20分前にレモン水を飲んでおくのがポイントです」
レモネード
甘いものが飲みたいときには、水 150mlに対し、レモン果汁大さじ2、はちみつ 大さじ1でレモネードにして飲むのもいい。
ドレッシング
手作りのドレッシングをサラダにかける方法もある。下記の材料をボウルで混ぜ合わせるだけ。鶏むね肉にすりこんで冷蔵庫で一晩置いて、電子レンジで加熱すればレモン香るサラダチキンにもなる。
【ドレッシングの材料】
・レモン果汁 適量(「ポッカレモン 100」なら小さじ4)
・ハーブソルト 小さじ4
・砂糖 大さじ1
・酒 小さじ2
・オリーブ油 小さじ2
食べながら健康的にダイエットを進めたい。そんなときには、レモン果汁を飲み物、ドレッシングなどで工夫をして、米飯を食べる前に摂取する習慣をつけていこう。
取材協力/工藤 孝文(くどう たかふみ)氏
内科医。糖尿病内科医・東洋医学医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で診療を行いつつ、全国で血糖値と肥満の関連についてなど生活習慣病の講演会などを行っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得。
取材・文/椎原あゆみ
