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なぜ、最近の電気シェーバーは〝肌にやさしく〟なったのか(2016.10.20)

しかしそんな同社とはいえ、今日のラムダッシュに至るまでには、半世紀以上の日々が必要だった。その原点は1955年12月。この年、パナソニック(当時は松下電工)から、国産初の電気シェーバー『MS10』が発売されたのだ。

当時はシェービングといえば、安全カミソリが定番であった時代。そんな時代に「電気でヒゲが剃れる」ということで『MS10』は話題になり、1年9か月で約15万台を販売するヒット商品となった。

今回はそんなパナソニックシェーバーの歴史を振り返りながら、今日につながる技術革新の道をたどっていきたい。

MS10(1955)

MS10(1955)

その後、パナソニックでは1961年に27mm回転ネット刃、1974年に世界で初めてステンレス刃物鋼による回転刃を採用した『スピンネットES620』を開発するなど、海外製品に対抗できる「刃」の開発を進めていく。

駆動部に関しては1977年、モーターのパワーを直接、刃に伝えるDD(ダイレクトドライブ)と呼ばれる機構を導入した『スーパーレザー ES820』を開発。1981年には浴室で石鹸を付けても剃れる、防水機構を搭載した『スーパーレザーD.W.ES861』が発売された。

スーパーレザーD.W. ES861(1981)

ES861(1981)

『スーパーレザーD.W.ES861』は、その滑らかな肌あたり、さらに深剃りがユーザーの支持を獲得。同社の電気シェーバーのシェアは30%台から44%台へと躍進を遂げる。

1984年にはチタンコーティング刃を採用した『スーパーレザーTITAN ES343』を発売。1988年には、そのチタンコーティング刃を薄さわずか37μm、外刃半径3.5Rまでに鋭角化が図られた『カーボチタンV ES323』が登場する。

ちなみに刃は薄く、刃先は鋭角であるほど切れ味は増す。日本刀がその好例だ。ES323はチタンコーティングを施すことで硬度はセラミック並みに高まり、肌に負担をかけにくい深剃り、早剃り能力も向上させたのだ。

ツイン&フロートES702(1991)

ES702(1991)

カーボチタンVで剃り味は向上したが、肌との接地面積が少ないため、ヒゲを剃る時間がかかるという新たな問題が浮上。これを解決するため考案されたのが、上下に2枚の刃を持つ複合刃構造である。

しかも、ツイン&フロート ES702には刃を肌に密着させるうえ、押し付ける力を最適化するという、画期的な肌追従機能も搭載された。

リニアスムーサー ES881(1995)

ES881(1995)

駆動部に関しては、3枚刃の開発と並行して、回転式モーターに代わるモーターの開発が進められた。それがリニアモーターである。

リニアモーターは回転数に加え、振動や騒音など回転式モーター比較して多くのメリットを持つが、当時、世界中を探してもシェーバーに搭載可能な小型・高性能のリニアモーターは存在しなかった。

そこでパナソニックの開発チームでは4年半の歳月をかけ、独自のシェーバー用リニアモーターを開発。それが世界初のリニアモーター搭載モデルとして毎分1万2000ストロークという、当時としては驚異的な高速駆動を実現した『リニアスムーサー ES881』だった。

こうして「内刃」「ヘッド」「リニアモーター」という、肌にやさしい深剃りを実現する技術の開発に成功していったパナソニック。2002年、満を持して「ラムダッシュ」が誕生する。

ラムダッシュ ES8093(2002)

ES8093(2002)

このラムダッシュには当時としては世界最高レベルであった「30°鋭角内刃」「世界最大可動の全方位フロートヘッド」「世界最高速ダイレクト・リニアドライブ」という3つの技術を導入。シリーズ年間販売台数24万台突破という、メンズシェーバー初の快挙を達成する。

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