1日10gの酒粕がもたらす驚きの健康効果とは!?(2016.11.04)

月桂冠総合研究所では、酒粕やその分解物の機能性についての研究を20年以上にわたって続けており、これまでにコレステロール低減、血中中性脂肪低下、抗酸化活性、肝機能障害保護など数多くの効用を見出してきた(下表)。

今回、酒粕を食べると「体が温まる」というイメージについて科学的に実証し、その研究成果を、「酒粕の血流改善および体を温める効果」と題して、2016年10月20日、日本醸造学会大会で発表した。

【表】酒粕の効用についての研究成果
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■酒粕のイメージは「体が温まる」

これまでに発見した数々の機能性から、酒粕は健康に良いというイメージは定着しつつありますが、1546人(男性832人、女性714人)に対して「酒粕のイメージ調査」(2013年、月桂冠調べ)を実施したところ、「体が温まる」というイメージを一番強く持たれていることがわかった(図1)。
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一方で、酒粕を食べると体が温まることに関しての研究はほとんどなく、一般的には、何となく「アルコールが入っているから温まるのだろう」といったイメージを持っているのではないだろうか。

酒粕そのものに体を温める機能があることを科学的に検証できれば、酒粕のさまざまな効用をより身近に実感し、食生活にも取り入れやすいのではないかと考えた。

さらに昨今、世間では体が温まるという効用に対して関心が高まっており、2012年の調査では、自分が冷え性だと思うかどうかについて、女性は8割以上、男性は4割以上、全体では6割以上が自分は「冷え性である」、あるいは「冷え性かもしれない」と回答している(ライフメディア リサーチバンク調べ)。そこで実際に、酒粕の「体が温まる」というイメージについて科学的に検証した。

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■酒粕を食べるとすぐに体が温まる

まず、酒粕を1回食べて、すぐに体が温まるかどうかを確認した。冷え性の症状がある男女8名に、アルコールを除いた酒粕の粉末を10g食べてもらい、40分後に手を冷却することによって負荷をかける試験を実施。

具体的には、15°Cの水に1分間手を浸し、その後時間の経過と共に手の表面温度と指先の血流量を測定し、冷却負荷からの回復度合いを調べるものだ。

図2は、試験後の手の表面温度を測定した結果。色が赤いほど温度が高く、青いほど低いことを表している。上が「酒粕粉末」を食べた人、下が酒粕のかわりに「米粉」を食べた人の手の写真。冷却負荷の直後・10分後・30分後に写真を撮影している。

冷え性の方なので指先は冷たいままだが、なかでも酒粕を食べた人は、手の表面温度に上昇傾向が見られた。指先の血流量をみても、酒粕粉末を食べた人だけが増加していることから、酒粕を食べるとすぐに体が温まることが裏付けられた。
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では、酒粕のどのような成分が、体を温めることにつながっているのだろうか。酒粕を酵素(プロテアーゼ)で分解したものを血管の細胞に添加すると、一酸化窒素(NO)が血管内皮細胞でつくられ血管拡張作用が生じることがわかっている。

一酸化窒素がつくられると、平滑筋で吸収され、そのことで筋弛緩が起こり、血管が拡張して血行改善することが、体を温める要因のひとつになっているものと考えられる。生姜を食べると体が温まるのも、この原理によるものと言われている。

■毎日食べ続けても体が温まる

さらに、酒粕を毎日食べ続けるとどうなるか。今度は長期間(8週間)をかけて試験を行った。冷え性の症状がある男女7名に、アルコールを除いて錠剤に成形した酒粕10g(39粒)を1日3回に分けて食べ続けてもらい、2週間に1度、冷却により負荷をかける試験、筋肉量や基礎代謝量などの測定を行った(酒粕を食べて3時間以上経ってから実施)。

図3は手の表面温度を測定した結果だ。酒粕を含まない錠剤を食べたグループは8週間経っても、試験以前の温まり具合と大きな違いはなかった。しかし、酒粕錠剤を食べたグループは、日時が経つにつれて手の温度の回復が早まり、30分後には指先までポカポカになっている。

また同時に、筋肉量、基礎代謝量の変化を確認してみると、酒粕錠剤を食べたグループでは、いずれも増加傾向が見られた。
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以上の結果から、酒粕を食べるとすぐに体が温まり、さらに毎日食べ続けることでも温まることが実験によりわかり、「体が温まる」というイメージを科学的に確認できた。

酒粕は、甘酒や粕汁にはもちろん、鍋料理、魚肉料理など多様な料理に調味料として加えることでおいしく食することができ、酒粕レシピを紹介する書籍も多数発行されている。今回、試験に用いた10gほどの量を日々食べ続けることで、冷え性の改善をはじめ、さまざまな効用を体内に摂り込んで健康的な生活へのプラスにできるのではないだろうか。

文/編集部

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