【我が社の男前】「やめる決断を怠らない男」資生堂・坪谷直俊さん(2017.04.17)
■機能性を重視した愛用品選び
結論を出すまでのスピード感と、効率を重視する姿勢は、ちょっとしたアイテム選びにも反映されていた。
坪谷「仕事中、頭をスッキリさせていたいので、コーヒーを10杯くらい飲むんですよ。いちいち缶コーヒーを買っていたり、ドリップする時間が勿体無いので、インスタントコーヒーを愛飲しています。愛用品って言えますかね?(笑)
あとは、お風呂に入っている間に仕事のことを考えることが多いのですが、その場合は結構な長湯になりますので、相棒としてJBLの防水スピーカーを置いて音楽を聴いています。低音が響くので小さい音量でも満足できます。曲はパンクロックとか激しめのやつですが、好きだからいいんです(笑)。
ヒゲの手入れも、肌が強くなく、時間もさっと済ましたいので電気シェーバーを使っています。伸ばしている箇所は、1mm刻みで調節ができるヘアーカッターを使用していますね。本当は子供の頭を刈るようのやつなんですが、結構具合がいいです。
時計はふだんあまりしないのですが、機能性を重視して選んでいます。サーフィン中もつけて海に入るので、防水タイプのものがほとんどですね。今つけているものも防水です。壊れたら買い換えようぐらいの気持ちでいます。これも、ある意味、古いものを捨てる判断をしているのかもしれませんね。
でも、なんでもかんでも取っ替え引っ替えというわけではなないですよ(笑)。財布と名刺入れは素材に「コードヴァン」を使用したものを使っています。
子供が小学校に上がって、ランドセルを購入したんですが、その素材もコードヴァンなんです。子供と同じものを持って、ツヤとか、味とか、傷とか段々変わっていく経年変化を楽しんでいます」
仕事では機能や効率を重視する一方で、サーフィンでは自然の流れに身を任せたり、私物の経年変化を楽しむ坪谷さん。故・スティーブ・ジョブズも最先端機器を生み出す傍ら、禅や瞑想などデジタルとは無縁のことを取り入れ、クリエイティビティに磨きをかけていたことから、仕事とプライベートで相反することを行うことで、双方を充実させることができるのではないだろうか?
年齢相応の落ち着きも感じさせながら、好きなものは好きと貫く自分らしさが一人の人間としてとても魅力的な男前だった。
取材・文/加藤敦(Men’sBeauty編集部) 写真/田口陽介
