夏よりにおい成分が2倍?秋冬の汗がにおう理由と対処法(2018.11.03)
大量に汗をかく夏場は汗・におい対策をしていても、汗をかく自覚が低い秋冬は汗・におい対策について無防備になりがちな人も多いようだ。
実はそんな秋冬の方が夏より汗がにおいやすい、と指摘するのはにおい研究の第一人者である五味クリニック院長の五味常明先生。
夏に比べ、秋冬は汗をかく機会が少ないため、汗腺の機能が落ち、におい成分を多く含む「におう汗」をかきやすいというのだ。秋冬こそにおう汗のケアが必要な季節と言えるだろう。
秋冬の汗がにおいやすい3つの理由とは?
五味先生は秋冬の汗がにおうのは、夏の汗と比較し、3つの違いがあるためと指摘している。
一つ目は、「秋冬は汗をかく機会が少なく、汗腺の機能が落ちること」。
次に、「汗の量は減るものの、汗に含まれるにおいの元となるミネラルなどの成分が約2倍に増加すること」。
さらに、「ミネラル分を多く含む秋冬の汗は、ベタベタして乾きにくく、またミネラル分により皮膚表面がアルカリ性になることで、皮膚常在菌が繁殖しやすくなること」
この3つの特徴が秋冬の汗のにおいが強くなる理由だと五味先生は指摘する。
においやすい秋冬の汗、その対象法は?
においやすい秋冬の汗の対策について、五味先生は「ワキのニオイは、ミョウバン入りの制汗デオドラントを使い、汗や雑菌を抑えて、においを中和することによって防ぐことができる」とアドバイスしている。
ミョウバン入りの制汗デオドラントには、(1)汗を抑える、(2)肌を弱酸性に保ち雑菌の繁殖を防ぐ、(3)アルカリ性のニオイ成分を中和する、という3つの効果がある。
そこで、片方のワキだけにミョウバン入りの制汗デオドラントを塗り、シャツを着て一日過ごす実験を実施。一日(約8時間)着用したシャツのワキの部分に汗に反応する試薬を吹き付けてみると、違いは一目瞭然(上写真)。
何も塗っていない側のワキは汗に反応して変色しているが、ミョウバン入りの制汗デオドラントを塗ったワキは汗が抑えられているためほとんど変化がない。
汗が抑えられているということは、雑菌の繁殖を防ぐことに繋がりにおいを元から断つことに他ならない。
不安が汗をにおわせる?!
五味先生は、秋冬に汗のにおいが強くなる原因について、『精神性発汗』についても指摘している。
「ワキの汗には、汗をかいてしまうのではないか、臭ってしまうのではないか、といった不安からくる緊張性の『精神性発汗』も関わっています。
あらかじめミョウバン入りの制汗デオドラントを使うことでそのような不安を取り、安心することでにおいや汗を抑えることができるのです」
五味常明先生 プロフィール
五味クリニック院長。体臭・多汗研究所所長。1949年長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科、多摩病院精神科などを経て、「心療外科」という新しい医学分野を提唱。体臭・多汗治療の現場で実践している。
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