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無益な怒りの感情をコントロールできる「アンガーマネジメント」とは?(2018.12.29)

アンガーマネジメント強度持続性頻度攻撃性

ひと頃「キレる子ども」が社会問題となったが、今は「キレる高齢者」や「ロードレイジ」(怒りに任せて行うあおり運転)など、大人の怒りが社会問題化しつつある。

Men’s Beauty』世代にとっても、怒りやイライラは無縁ではない。上司や取引先からの無理難題にイラっとしたり、恋人のすげない態度にムカついたり、毎日なにかしら怒りたくなる場面に遭遇していることだろう。

ただ、怒りの感情に身を任せる日々を送るのは、何より自分自身がしんどいし、健康面でもリスクがある。この厄介な感情に対処するニーズは世間でも高まっており、「アンガーマネジメント」という、文字通り怒りをマネジメントするトレーニング法が注目されている。

具体的には、怒りをどのようにマネジメントするのだろうか? 筆者は、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントファシリテーター越橋(えつはし)理恵さんの講座に参加する機会があり、そのエッセンスをうかがった。

「怒らなくなる」ことが目的ではない

アンガーマネジメントでしばしば誤解されるのは、怒ること自体がなくなるよう性格改造するように思われていること。

そうではなく、「怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになること」が目的だと越橋さんは説明する。

怒りは人間にとって大事な感情の一つであり、これはなくす必要はない。ただ、怒った後で後悔するような怒りは避け、本当に必要な怒りは適切なかたちで表現する。これが、アンガーマネジメントの本質だという。

問題となる4つの怒り

アンガーマネジメントでは、注意すべき怒りのタイプがあるという。それは、「強度が高い」、「持続性がある」、「頻度が高い」、「攻撃性がある」という4つの要素のいずれかが含まれた怒り。

越橋さんは、「例えば、『瞬間湯沸かし器』と呼ばれるような強度の高い怒り方をする人。これは周囲の人たちへの影響や、自分の心臓への負担という点でも問題のある怒りです」と言う。また、「持続性のある怒り」は、憎悪や怨恨という非常に強い感情に成長し、人間関係を破壊しかねない。こうした容易に御しがたい感情でも、アンガーマネジメントのトレーニングをしていくことで解決可能だという。

怒らせるのは他者でも出来事でもない

越橋さんは、人の怒りをかきたてるのは、他の人でも外部の出来事でもないという。上司の対応のせいで怒ったり、遅れている電車のせいで怒ったりするのだから、怒りの素因は外部にあると考えてしまうが、実はそうではない。

「実際は怒りの元になるのは、私たちの『こうあるべき』とか『こうするべきではない』という価値観が原因です。その価値観と異なる現実が起こった時に、イライラや怒りへと変わります」

「上司は部下に対しても物腰柔らかな対応をすべき」とか「電車は数分でも遅れてはならない」といった、「~~であるべき」という個人の「理想」がまずあり、それとのギャップが生じると怒りに結びつく。あまり意識されないが、これが怒りの本当の原因だという。

怒りのマネジメント術 その16秒待つ

怒りの原因が分かったとして、われわれはどのように対処していけばよいのだろうか?

それには3つの方法があると越橋さんは話す。

その1つめは「6秒待って反射しない」。

「怒りを感じて最初の6秒は、反射的に何かを言ったり、行動したくなりやすいのです。この6秒の間に、わざとらしくため息をついたり、物を投げたりといった反射的な行動をすると、後で後悔することにつながります。怒りのピークが持続するのは、ほんの6秒です」

この6秒をしのぐやり方は幾つかあるという。例えば、落ち着く言葉(専門用語で「コーピングマントラ」)を唱える。「大丈夫」とか「何とかなるさ」といった、短くて自分の気持ちが落ち着く言葉を用意しておき、イラっとしたらこの言葉を心の中で唱えることを習慣づける。6秒が過ぎて、自然とクールダウンするまでの間だけ唱えればよいので簡単だ。

アンガーマネジメント強度持続性頻度攻撃性

怒りのピークはほんの6秒間なのですぐに反射しない
(出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会)

怒りのマネジメント術 その2:三重丸で思考をコントロール

怒りの元になるのは、「こうあるべき」といった価値観と現実のギャップであると先に述べたが、この価値観には「許せるゾーン」、「まぁ許せるゾーン」、「許せないゾーン」という3つの許容範囲があるという。この許容範囲は、下図のように三重丸で表せる。

アンガーマネジメント強度持続性頻度攻撃性

三重丸=3つの許容範囲で思考をコントロール
(出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会)

言うまでもなく、このゾーンの幅は人によって異なる。越橋さんは、以下の例を挙げる。

「例えばLINEでメッセージを送って、すぐに既読にならない場合を考えてみましょう。Aさんは時間については許せるゾーンが狭く、『私のことを無視している』と考えイラっとしてしまいます。対してBさんは、許せるゾーンが広く『きっと忙しいのだろうから、もう23日待ってみよう』と考えてイライラしません。LINEで既読にならないという事実は1つなのに、その人の意味づけによって全然変わってくるのですね」

そこで必要となるのが、まず「まぁ許せるゾーン」を大きくする努力。つまり、他者の「~~であるべき」を受け入れるようにしてゆく。この努力を続けることで、「そういう考え方もある」と次第に寛容な態度をとれるようになる。

そして、同じくらい大事なのが「ゾーンの境界線を安定させる努力」と「ゾーンの境界線を人に見せる努力」。その日の機嫌の良し悪しで、許せる範囲・許せない範囲がブレてしまうようでは、他者はあなたの顔色をいつもうかがうようになってしまう。そこで、許せない境界線の線引きははっきりとさせ、なおかつそれを周知・理解してもらうよう努める。

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