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現代を代表する調香師が教える〝フレグランス使いこなし術〟(2019.06.16)

フレグランスのトレンドや日本人ならではの香りの纏い方など、香りに関する幅広い知見を持つフレグランスアドバイザーのMAHOさんに、デキる男に今必要な香りの提案をしてもらう本企画。

今回は、自身の名前を冠したフランス発のフレグランスブランド『HEELEY(ヒーリー)』の調香師であるジェームス ヒーリー氏の来日に伴い、単独インタビューが実現。香水作りへの想いや、日本人男性の香水の選び方や纏い方についてのアドバイスを聞いた。

「今回でお会いするのが3回目となるパフューマーのジェームス ヒーリー氏。改めて香水創りへの思い、そして、男性がフレグランスを上手に取り入れるヒントを伺うことができました!」(MAHO)

世界をリードする調香師にインタビュー

MAHO HEELEY』は今のフレグランスカルチャーを牽引するフランス発のブランドですが、ジェームスさん自身はイギリスご出身で、元々は弁護士を目指していたんですよね? 香りをデザインする「調香師」という仕事を目指したきっかけを教えてください。

James ロンドン大学のキングスカレッジで法律や哲学を学び、卒業後は弁護士になることが決まっていました。ですが、自分の判断次第で人々の重要な局面を左右してしまう仕事だということに違和感を覚えたんです。そして、『もっと創造性のあることに挑戦したい!』と、いう強い欲求が芽生え、パリに移りました。

すぐにパフューマーになろうと思っていたわけではなく、最初はクリエイティブな仕事の一つとしてプロダクトデザインに関わる仕事に就きました。その後、あるフレグランスメゾンと出会って影響を受け、南フランスにある香水の研究施設で学び始めたことがきっかけで、パフューマーを目指すことになりました。自分の中ではとても自然な流れでした。

ジェームス ヒーリーHEELEYマント・フレッシュブラン プードル

左がジェームス ヒーリー氏。右はMAHOさん。

MAHO 今や『HEELEY』は、フランスやイギリスのみならず、アジアなど世界中に知られるフレグランスメゾンになりましたが、ここに至るまでに苦労されたことは?

James 特に苦労したという感覚はありません(笑)。常々、気にかけていることは「バランスとエレガンス」です。私にとっていい香りというのは自然界にある「その場」の香りです。その香りを自分のフィルターに通し、次にそれを切り取りカプセル化して、どう香水に仕上げられるかを考えています。

MAHO 2006年に彼の最初の香水『マントフレッシュ』が発売され、私はいち早くパリで購入したのですが、高級な香水にミントが上品に使われているのは珍しいことだと感じたのを覚えています。そして4年前、初めてジェームスさんにお会いした際にそれをお見せしたところ(すでに販売パッケージがリニューアルされていましたが)、パッケージなどのプロダクトデザイナーでもあった彼は、リサイクルにもこだわったこの初期のデザインを懐かしんでくれて、このようなメッセージを書いてくれました。

「『マントフレッシュ』をはじめとし、ヒーリーの作品は独創的と伝統的な調香の美しさを大切にしながらも、余分な力が抜けたナチュラル感と軽やかな香りが多いのも特徴です」

ジェームス ヒーリーHEELEYマント・フレッシュブラン プードル

ジェームス ヒーリー氏。調香師・デザイナー。イングランド・ヨークシャー生まれ。ロンドン大学のキングスカレッジにて哲学と美学を学ぶ。その後パリへ渡り、独学でグラフィックデザインを習得。1996年、著名な調香師との出会いをきっかけに香水の世界へ。2006年に『ヒーリー』を立ち上げ、処女作『マント・フレシュ』を発表。

 

MAHO 日本ではフレグランスをうまく使いこなせない男性も多いのですが、どのようなタイミングで纏うのがおすすめでしょうか? また日本のフレグランス市場をどのようにご覧になっていらっしゃいますか?

James 日本では無臭が美徳とされていますよね。香水を纏うことに抵抗がある方、シャンプーや整髪料、衣類の柔軟剤で満足してしまう方も少なくないようですね。けれど私は、もっと気軽に日常的に香りを取り入れて楽しんでもらいたいと思っています。

自分の好きな香りを纏うだけではなく、 その日の天候や気分、そして、これから会う相手のことをイメージし、シチュエーションやシーンに合わせたコーディネートの「仕上げ」という感覚で選んで纏うのをおすすめします。

また、お気に入りの香りを使い続ける方も多いと思いますが、ファッションでも毎日同じシャツやジャケットを着続けていたら、飽きるしつまらないですよね? 香水も時計やサングラス、ストールのように、ファッションアクセサリーとして自分のワードローブにいくつか揃えてみることも提案したいと思います。

日本人はとても繊細で常に他人を気遣う文化が根付いているためか、相手との距離感をとても大切にしていて、ちょうどいい香りの纏い方を知っています。ですがどのように香りを選んでよいのか悩む方も多いようですね。ブランドの名前だけで選ぶのではなく、自分の肌に合い、自分の個性を演出できるような自分らしい香りを見つけてもらいたいと願っています。

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