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健康食品・サプリメントのネーミングには要注意のワケ(2019.10.07)

仮に商品名「毎日の野菜これでOK」という野菜ジュースがあったとしよう。成分表を見るとたくさんの野菜が載っているので、「これ1本飲むだけで1日に必要な野菜を食べたのと同じ」と思うかもしれない。商品のネーミングからしてそうだし

それに対し、「ネーミングから受ける印象と実際の中身がズレている商品が大変に多いのが現状」と警鐘を鳴らすのは、消費生活アドバイザーの若村育子さんだ。

若村さんは著書『健康食品・サプリ そのネーミングにだまされてますよ』(ワニブックス)の冒頭で、大手食品メーカーの誰もが知っている野菜ジュースを取り上げる。

健康食品サプリメントネーミング若村育子

そのネーミングから、いかにも1日に必要な野菜(の栄養素)が摂れそうなイメージに反して、「野菜から摂りたい栄養成分、とくにビタミンCや食物繊維はほとんど期待できない」点を指摘する。

「健康食品やサプリメントは、薬品と違って効能は謳えないのが原則。例外として特定保健用食品があるが、それは監督省庁の審査があってのこと」といったことは、ご存じの方は多いと思う。

しかし、商品名=ネーミングに関しては「野放し状態」なのだという。消費者庁も「明らかに誤認を与えるネーミングであってもそれを補うような表示広告があれば」というスタンス。その緩さに乗じたのか、消費者に誤認されかねないネーミングの商品がゴロゴロ。本書ではそうした商品を、実名を挙げて取り上げている。本稿ではあえて具体名は伏せるが、その一部をちょっと紹介してみよう。

黒酢成分はほとんど期待できない黒酢サプリ

こんな商品:濃縮した黒酢を米粉などに吸わせてカプセルに詰め、ネーミングに「黒酢」を使っている健康食品。「アミノ酸のダイエット効果」を謳っている。

自然に考えれば「黒酢にはアミノ酸が多く含まれ、そのアミノ酸は減量効果がある。カプセルには、十分な量の黒酢由来アミノ酸が含まれている」と思うだろう。

ところが、若村さんの計算によれば、「黒酢由来のアミノ酸は全アミノ酸の7%以下」。原材料に含まれる「大豆ペプチド」といった豆類由来のアミノ酸のほうが圧倒的に多いだろうと述べる。仮にこの点は目をつぶっても、1日分(2粒)あたりのアミノ酸の絶対量は0.49g。普通に黒酢を買って、ドレッシングとして使った方が効果がありそうだが、そもそも「アミノ酸にそのような(ダイエット)効果があることを示した報告は見当たりません」(国立健康・栄養研究所談)とオチがつく。

ダイエット効果はともかく、必須の栄養素であるアミノ酸の摂取ついて、若村さんのアドバイスは、「たんぱく質の多い卵や肉、魚、大豆製品を意識して食べればいい」だ。

「砂糖ゼロ・糖類ゼロ」でもカロリーは高いチョコレート

こんな商品:パッケージには大きく「砂糖ゼロ・糖類ゼロ」と記され、これを強調するようなネーミングのチョコレート。

若村さんが、周囲の人にこの商品から受けるイメージを尋ねたところ、全員が「カロリーはゼロ、もしくはかなり低い」と答えたという。

実は、このチョコレートのカロリーは、一般的なチョコレートの約9割。ローカロリーでもなんでもないのだが、裏面の成分表示にはちゃんとカロリーが明示され、メーカーはノンカロリーともローカロリーとも謳っていないのだから、虚偽表示ではない。また、糖類はゼロだが、糖アルコールのマルチトールや人工甘味料のアスパルテームなどは入っており、これも成分表示されている。

若村さんは、「ゼロなる用語を消費者が勘違いするだろうことを見越して巧みに使った会社のほうが、一枚も二枚もうわ手」と評している。つまり、メーカーとしては、大半の消費者は栄養学のリテラシーが低いという前提で、ネーミングを考えているということになるだろうか。

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