秋は「抜け毛の季節」というのは真実、それとも都市伝説?(2019.10.11)

抜け毛の季節毛周期換毛期

東京都心で27年ぶりに2日連続で猛暑日を記録するなど、厳しい残暑となった9月。その影響か、気象庁の長期予報によれば10月の平均気温は概ね高めとなっており、しばらくは朝夕と日中との寒暖差などに注意が必要かもしれない。本格的な秋の到来を感じるのは10月中旬頃になりそうだ。

さて、そんな秋といえば、グルメにスポーツ、芸術、旅行と様々な楽しみがある一方で、メンズビューティー的にチェックしておきたいのが「秋は抜け毛の季節」と言われていること。

そもそも秋は農作物を中心に「実りの季節」と呼ばれる一方で、なぜ髪に関してはマイナスイメージが浸透しているのか。そこに何か根拠はあるのだろうか。それとも単なる都市伝説なのか……。

東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ院長で、皮膚科医の上島朋子(かみしまともこ) 先生に解説していただいた。


 

最近発表された1年を通じた脱毛量に関する資料を見ると、確かに9月、10月は抜ける髪の量が増えているようです。その理由としては、7月前後に休止期の毛が増えることが考えられます。

ここで髪の休止期について、少し説明しておきましょう。

毛には生えてから抜け落ちるまで一定のサイクルがあり、これを毛周期(もうしゅうき)と呼んでいます。この毛周期には大きく分けて、新しい髪が成長して伸びる「成長期」、細胞の活動が止まる「退行期」、そして髪が抜け落ちて新しい髪の成長を準備する「休止期」の3つがあります。

髪は休止期に入ってもすぐ抜け落ちるわけではなく、その後、数か月を経て抜けていきますので、7月に休止期に入ると、ちょうど9月、10月が「抜け毛の季節」となるわけです。

では、なぜ7月に休止期となる髪が増えるのでしょうか。実は、その理由はよくわかっていません。

人間の髪は約10万本と言われていて、それぞれに異なる毛周期を持っています。言葉を変えれば、1本ごとに抜ける時期が異なっているということ。

多くの髪が一斉に抜け落ちる例としては、休止期脱毛と呼ばれる症状があります。これは非常に辛い思いをした場合や、自分では意識していないものの、強いストレスを長期間感じていた人が一気に髪が抜けてしまう疾病。初めて診察にいらした日は薄毛という程度だった場合でも、1、2か月で、すっかり髪が抜け落ちてしまうケースもあります。

ただし、これはあくまでも病的な状態なので、「抜け毛の季節」との関連はありません。

また、想像の範囲ですが、人間も動物の換毛期のようなリズムやサイクルがあり、これが休止期脱毛に近い現象を引き起こすのかもしれません。髪は抜けても毛周期が戻れば問題ないので、あまり悩まず、ストレスを溜め込まない方がいいでしょう。

ただし、大量に抜ける場合は先ほど申し上げたように病気の疑いもありますので、専門医への相談をお勧めします。

この時期は夏の間に受けた紫外線の影響にも注意していただきたいですね。

紫外線を浴びれば髪は傷みますし。頭皮も日焼けします。日焼けはやけどを同じで、やけどはすなわち皮膚の炎症です。

人間の肌は炎症が起きれば、そこを健康な状態へと再生しようとしますから、傷んだ細胞は廃棄処分されます。これが抜け毛につながる場合があり、医学的には炎症性脱毛と呼んでいます。

また過剰な皮脂分泌によるかゆみから炎症を起こすこともあり、これは脂漏性皮膚炎と呼ばれ、これも脱毛の原因となります。

というわけで、この時期は漠然と「抜け毛の季節」を不安視するのではなく、頭皮と髪が夏に受けたダメージの回復に努める。これこそが抜け毛リスクの低減に繋がるのではないでしょうか。

 

東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ
院長 医学博士 上島朋子(かみしまともこ) 先生

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病理学の研究を経て皮膚科医に。「肌の健やかな美しさ」にこだわり、疾患の治療から先端美容医療、そして再生医療の研究まで手がける。

https://www.noage-amc.com

 

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