糖質は1日30gに抑え、脂質・タンパク質を積極的に摂るダイエット(2019.12.18)

行列のできる米国医師が発案した糖質は1日30gに抑え、脂質・タンパク質は積極的に摂るダイエット法

■蕎麦よりうどんの方が健康にいい?
ニューヨークの開業医、ジェイムズ・E・カールソン医師は、日本人向けに書いた書籍ニューヨークの医師が教える病気を治す食べ方』(現代書林)の冒頭で、以下の問いかけをしている。

「蕎麦とうどん どっちが健康にいい?」

ファコタン糖質GI値インスリン

栄養学に詳しくない人でも、蕎麦に含まれる栄養素や、GI値の低さから、蕎麦に軍配を上げるはずだ(GI値とは、食品を摂取してから2時間の血液中の糖濃度の比較値で、ブドウ糖が100)。

確かにGI値は、うどんが85に対して蕎麦は60。うどんのほうが、血糖値が上がりやすいことは明白だ。

しかし、カールソン医師によれば、ポイントはそこではないという。

インスリンの分泌量は消化された炭水化物の量(糖質量)に比例しません。消化に時間がかかれば、必要以上のインスリンが分泌されることになります。GI値が低い蕎麦は、うどんに比べて消化に時間がかかります。その分、体に負担をかけるインスリンの分泌が多いのです。(本書22pより)

つまり、着目すべきは、血液中の糖を代謝するホルモンであるインスリン分泌の「量と時間」。その点から、カールソン医師は「うどんのほうが健康にいい食品」だと結論づける。同じ理由で、玄米より白米、オレンジよりオレンジジュースの方がよいとしている。

■糖質は1日30gに抑えて「ファコタン」を摂る
かといって、カールソン医師が推奨している食生活は、うどんや白米をふんだんに使った「白物食品」ではない。蕎麦や玄米よりマシとはしつつ、こうした食品も摂り過ぎはよくないと力説する。その基準値は、1日30gの糖質量。ご飯茶碗に盛った米飯の糖質量は約55gなので、ご飯1膳の半分くらいに抑えよという。日本のいわゆる「スーパー糖質制限」に近い考えだ。

それとは反対に、努めて摂るのが「ファコタン」。「ファ」はファット(脂肪)、「コ」はコレステロール、「タン」はタンパク質。一言で言い現すなら「低糖-高ファコタン」が、カールソン医師の食事法となる。

■自身が糖尿病になったのがきっかけ
この食事法を編み出したそもそものきっかけは、自身が糖尿病にかかったことだという。糖尿病薬に依存しないで対処しようと、アメリカ糖尿病学会が推奨する食事療法を行ったが、まったく改善しない。それどころか、血糖値は170から200へ、善玉コレステロールは31から27へ下がる一方、血圧は10も上がった。

ちなみに、アメリカ糖尿病学会が推奨する食事の摂り方は、糖質は1日135gまでOKで、全粒粉の小麦、麦芽、玄米、果物、蜂蜜は積極的に摂る。肉は、脂身のない鶏の胸肉はよいが、牛肉や豚肉はNGというもの。

カールソン医師は、こうしたガイドラインを忠実に守るほど糖尿病は悪化し、「何かがおかしい…」と疑念を抱く。そんなおり、大学で学んだバイオケミストリー(生化学)の書物を読む機会があり、医学とは別の視点から、栄養分が身体に与える影響を知る。

全粒粉のパンやパスタは、消化に時間がかかる分だけインスリンの分泌がダラダラと続き、膵臓には大きな負担をかけていました。これまで体によいと信じて私がやってきたことが、全部、消化という視点で見ると、裏目に出ていたのです。逆に、体に悪いとされていたコレステロールは、免疫や体に必要な物質を精製したり、生命維持のために必要不可欠な栄養素であることを、バイオケミストリーの教科書を読んで思い出しました。(本書100pより)

そこで、カールソン医師は、自分自身を実験台にして、バイオケミストリー的に何を食べれば正解なのか追究した。その結果、できあがったのが独自の食事法というわけだ。この食事法を適用した最初の患者はカールソン医師自身。やってみたところ、瞬く間に血糖値と血圧は正常値へと下がり、善玉コレステロールは標準値を上回った。

そこから、自分の患者へと実践の輪を広げていき、評判の医師となった。糖尿病だけでなく、痛風、冠動脈疾患、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎などにも有効で、肥満にもよい。今では、診療予約が4カ月待ちになるほどだという。

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