今さら聞けない、即役立つタンパク質の基礎知識(2019.12.24)

■筋トレ時の「超効率的」なタンパク質の摂取法
筋トレ男子なら、筋トレによって筋肥大が起きるのは、高い負荷によって筋線維にダメージが生じ、それが休養中の超回復によって、以前よりわずかに筋線維が増えるというメカニズムが働いていることはご存じのはず。

筋肉は、筋肥大だけでなく常時分解もされており、1日1%の割合で入れ替わる。分解よりも筋肉が合成される速度が速ければ、筋肥大につながるが、これには「タイミング」、「クオリティ」、「タイプ」、「ボリューム」の4つのポイントを押さえておく必要がある。

タンパク質アミノ酸上西一弘
分解より合成される速度を速くするのが筋肥大の基本(本書51pより)

まず、「タイミング」。トレーニングを終えて1~2時間後に、合成速度はピークになる。そこで、このタイミングでタンパク質を補給する。48時間くらいは、タンパク質の摂取量を極端に減らすのはNGだという。

そして、「クオリティ」。これはタンパク質のクオリティのことで、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれる3種の必須アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)は欠かさないようにする。

「タイプ」とは、消化吸収しやすいタイプで、タンパク質を摂取するということ。胃の滞留時間を短くし、小腸で素早く吸収されるよう「塊肉よりもミンチ状、個体よりも液体」がベターで、低脂質も心がける。

最後の「ボリューム」は、摂取量のこと。1日の摂取量は、筋トレや長距離ランニングをしているなら、体重1kgあたり2.0gを目安とする(体重60kgなら120g程度)が、一度に吸収できる量には限りがあるので、1回あたり20~30g摂るようにする。

■アミノ酸の力で睡眠の量と質を改善
グリシンという非必須アミノ酸(体内でつくられるアミノ酸)がある。これは、コラーゲンの構成素材になったり、ヘモグロビンなどの材料になったりする重要なアミノ酸だが、睡眠の量(時間)と質(深さ)を改善する力もあるという。

就寝時は、手足など抹消部分から体熱が放射され、深部体温が下がることで眠気がもたらされる。グリシンを就寝前に摂ると、足の表面体温が上昇して体熱が早めに放射され、深部体温の下がりも早くなって、入眠がしやくなる。

また、入眠後は速やかに深い眠り(徐波睡眠)に入り、それが長く続く作用もあるという。

グリシンは、一部の魚介類(えび、かに、いか等)に含まれるほか、サプリメントとして販売もされているので、眠りが浅いのが悩みという方は、試してみるとよさそうだ。

■タンパク質の過剰摂取には注意
タンパク質は身体の健康に重要だからと、やみくもに摂るのもNGだ。本書では、4つのリスクが説明されている。

その1つが、ミネラルの不足。タンパク質が豊富な動物性食品や乳製品には、体を酸性にする性質があり、摂り過ぎると、アルカリ金属と呼ばれるミネラル(カルシウムやカリウム等)が不足しがちになる。こうしたミネラルの不足が続くと健康リスクが生じてしまう(例えばカルシウムの不足は骨粗しょう症などのリスク)。

2つめが、腸内環境の悪化。肉食過多は、腸内の悪玉菌が活性化して、結果として不調・病気にかかりやすくなってしまう。

3つめが、尿路結石。これは、主に尿道にシュウ酸カルシウムなどでできた「石」ができる病気で、激しい痛みや血尿が出ることも。これも動物性タンパク質の摂り過ぎが関与しており、「石の成長を抑えるクエン酸が減少し、尿中にシュウ酸を増加させる」作用が原因。

最後に、タンパク質の撮り過ぎは、余剰なアミノ酸は脂肪に変化することで、肥満ももたらす。

タンパク質アミノ酸上西一弘
一見すると普通の食生活でもタンパク質の摂り過ぎになりうる(本書81pより)

*  *  *

本書には、こうしたタンパク質に関する知識が網羅されており、「なんとなく知っている」事柄を明確にする意味でも読んでおきたい1冊だ。「筋肉をつけたい人のメニュー」など、目的別の食事レシピも充実しているので、あわせて参考にするとよいだろう。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

 

その他の情報はこちら!

 

1 2
男前度が上がったら記事をシェア!
Men’s BeautyのSNSはこちらからフォローできます