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〝お酒を飲むと肌がキレイになる〟は俗説だった?!(2020.01.29)

ポリフェノール抗酸化作用IGF-1

カレンダー上は最大9連休も可能だった2020年の正月休み。この時期は普段以上にアルコールを口にする機会が増え、旅先や帰省先では美味しい食事とともにグラスや盃を重ねたという方も多かったのでは。

そこでつい飲み過ぎてしまい、翌日は顔がむくんだり、肌が乾燥してガサガサという事態に…。

もちろん、そんな深酒はNGとしても、ワインに含まれるポリフェノールなど、酒には肌によい成分が含まれているといわれており、実際〝酒は百薬の長〟という故事も広く知られている。

というわけで、今回は「アルコールと肌」の関係について、東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ院長で、皮膚科医の上島朋子(かみしまともこ) 先生に解説していただいた。


お酒は、まず飲む時間帯やつまみ類など、飲み方がポイントになります。特に塩分の高いつまみ、脂っぽい食事は、肌のみならず、カラダ全体の健康的問題に発展しかねません。

そこで飲む前に、アルコールの胃粘膜からの吸収を抑えるため、さっぱりとした軽食を取ることをおすすめします。アルコールの血中濃度が一気に上昇しないので、各臓器への負担も軽減されるからです。

では、そもそも肌にとってお酒は良いのか、悪いのか。

アルコールを飲むと、アルコールを分解するために水分が使われるため、体内の水分が減少。肌も乾燥して、これが肌荒れの原因となります。これが飲酒のデメリットのひとつ。

その一方で、ワインなどに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり、肌にも良いと言われていますね。

この説に対して、2010年に名古屋市立大学の研究グループが「確かにポリフェノールは抗酸化作用を持つが、経口摂取しても体内で抗酸化作用を発揮するほどの量は消化管から吸収されない」というデータを発表しています。

つまり、ワインなどに含まれているポリフェノールを経口摂取して体内に取り入れても、効果はあまり期待できない、というのです。

これは通説を否定しかねない興味深い研究なので、引き続き今後の進展をチェックしていきたいですね。

そんな中、近年注目を集めているのが、全身の細胞に存在するインスリン-ライク グロースファクター ワン(インスリン様成長因子-1)=IGF-1という物質です。

これはインスリンに似た構造を持つ成長ホルモンの一種。同じく全身の細胞に存在するIGF-1のリセプター(受容体)と結合することで、各細胞を活性化させるという重要な役目を持っています。

お酒を飲むと、上機嫌になったり、さまざまな香りに包まれて落ち着きや心地よさを感じる方も多いと思います。その〝楽しさ〟や〝快感〟はアルコールに含まれるαグルコシルグリロール(αGG)が知覚神経を刺激してIGF-1を増加させるため、全身の臓器に様々な刺激を与えて生じる現象だと考えられています。

お酒を飲まれない方も、宴席の楽しい雰囲気を体感すれば、IGF-1が活性化して美肌になれるかも(笑)。

余談ですが、最近の薄毛治療でも、患者さんに「グロースファクターカクテル」というものを注射するという治療があります。これは複数のグロースファクターが相互的に働いて、細胞を活性化。しっかりとした毛の発育を目指すもの。

そんなIGF-1ですが、アルコールを飲めば活性化するわけではないので注意してください。

ちなみに厚生労働省は「健康日本21」の中で「節度ある適度な飲酒」を1日平均純アルコールで20g程度としています。これはビール中ビン1本、日本酒1合、チューハイ350mL缶1本、ウィスキーダブル1杯に相当する量。

節度ある飲酒を心がけましょう。

 

東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ
院長 医学博士 上島朋子(かみしまともこ) 先生

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病理学の研究を経て皮膚科医に。「肌の健やかな美しさ」にこだわり、疾患の治療から先端美容医療、そして再生医療の研究まで手がける。

https://www.noage-amc.com

 

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